JALの最新ビジネスクラス「SKY SUITE 777」を創った男たち──第1回「地上サービス」秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/5 ページ)

» 2014年08月22日 10時20分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]

目的地の最新情報をラウンジで入手

 チェックインを済ませた私たちは、保安検査場を抜けて出国審査のゲートへ。それらの手続きもすべて順調だ。時計に目をやると、搭乗開始までまだたっぷり1時間以上ある。空港での待ち合わせ時間をもう少し遅らせても問題はなかったが、私は倉谷氏と事前に「早めに空港入りして取材・撮影の打ち合わせをしよう」と話し合った。搭乗開始までの時間を、自慢のラウンジでゆったり過ごす──それも快適な“空の旅”には欠かせない重要な要素である。

 第2ターミナル本館のJALラウンジに到着した。自動ドアを抜けると、正面受付の左手にファーストクラスラウンジへ、右手にビジネスクラス用の「サクララウンジ」への通路が続いている。空港ラウンジとしては、日本最大の広さを誇る施設だ。アースカラーを基調にした暖かみのある空間に、ソファーがゆったりと配置されている。ガラス張りの大きな壁から朝の光が差し込み、早い時間からくつろいでいる利用客も少なくない。館内にはビジネスコーナーやシャワー施設、マッサージルームなども完備。ビュッフェスタイルの食事を楽しめるコーナーを覗くと、和洋のメニューやドリンクの種類も豊富。「Soup Stock Tokyo」が提供する自然素材を生かしたスープや、オリジナルのビーフカレーはとくに人気のようだ。

 私はビュッフェコーナーで淹れ立ての熱いコーヒーとメゾンカイザーのクロワッサン、エンドウマメと豆乳を使った冷製スープをとり、窓側のテーブル席に着いた。窓の先に、出発準備を進める777-300ERが見える。持参のノートPCを広げ、館内のどこでも使える無線Wi-Fiでインターネットにつないだ。これから向かう目的地の最新情報を、出発直前にラウンジで入手する──私なりの旅の始め方の“定番”だ。

 仕事に集中するのもいいし、出発までの時間をのんびり過ごすのもいい。シャワーを使ってリフレッシュしてから機内へ、と決めている人もいるようだ。「一人ひとりのお客さまのライフスタイルに合わせて、思い思いに利用していただきたいですね。どんなニーズにも応えられるラウンジを私たちは目指してきました」と話すのは、顧客マーケティング本部・商品サービス開発部で地上サービスの充実に取り組む玉置健一さん。以下は、その舞台裏についてインタビューした、彼との一問一答である。

JALサクララウンジ(撮影:倉谷清文)
私は飛行機の見える窓側のテーブルに着いた(撮影:倉谷清文)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.