第38鉄 夏の青春18きっぷ旅(2)吾妻線、噂の現場を歩く:杉山淳一の+R Style(6/6 ページ)
JRの普通列車に乗り放題の青春18きっぷで、各駅停車ならではの旅を楽しもう。幻の駅弁、日本一短いトンネル、ダムに沈む温泉――今回は、群馬県を走る吾妻線に乗りに行く。
さあ、駅に戻ろう。ここまでは下り坂。つまり帰りは上り坂。最後の踏ん張りどころだ。駅まで行かなければ帰れない。今日は炎天下を約10km歩いた。電車なら約10分のところを2時間も歩く。うーむ、これって「鉄道の旅」と言えるのか……? でも、歩いただけの満足感はあったから、良しとしよう。
真夏の吾妻線もよかったけれど、読者の皆さんには紅葉の頃がオススメ。夏の青春18きっぷシーズンは終わってしまったが、10月には鉄道の日記念「乗り放題きっぷ」が発売される。1枚あたりの価格はちょっと高くなるが、内容はほとんど同じだ。なおJR東日本高崎支社は、来年7月から吾妻線などで新型ジョイフルトレイン「リゾートやまどり」を運行させる予定だ。
クタクタに疲れたので、上野行きの列車はグリーン車にした。青春18きっぷは、グリーン券を追加購入すればグリーン車に乗れる。夕食も限定駅弁で「復刻版だるま弁当」。高崎駅の名物駅弁「だるま弁当」は赤いプラスチックのだるまに入っているが、こちらは昭和35年の発売当時のように、瀬戸焼の陶器の弁当箱に入った高価版。上州牛に榛名地鶏、下仁田のコンニャクなど、地元・群馬産の材料をふんだんに使っている
青春18きっぷ旅:バックナンバー
→夏の青春18きっぷ旅(1)日本三大車窓とJR最高地点を訪ねる
→夏の青春18きっぷ旅(3)SLだけじゃない! 魅力満載の大井川鐵道
→夏の青春18きっぷ旅(4)日本一のモグラ駅をズルい方法で訪ねた
→夏の青春18きっぷ旅・最終回 富士山外周、山北駅のD52とB級グルメを訪ねる
今回の電車賃
JR 青春18きっぷ 2300円(1回分)
著者プロフィール:杉山淳一
肉食系鉄道ライター(魚介類が苦手)にして、前世からの鉄道好き。生まれて間もなく、近所を走っていた東急池上線の後をついていったという逸話あり。曰く「いつもそばを走ってたから、あれが親だと思った」
コンピューター系出版社でゲーム雑誌の広告営業を経験した後、フリーライターとなる。オンライン対戦ゲーム、フリーウェア、PCテクニカルライティングなどデジタル系の記事を専門とし、日本初のEスポーツライターとしてオンライン対戦ゲーム競技を啓蒙する。
趣味は日本全国の鉄道路線探訪で、現在の路線踏破率は約8割。著書は『もっと知ればさらに面白い鉄道雑学256(リイド社)』『知れば知るほどおもしろい鉄道雑学157(リイド社)』『A列車で行こう8 公式ガイドブック(エンターブレイン)』など。
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