マツダ RX-8の最終モデル「SPIRIT R」――高回転域での滑らかな回転感はロータリーならでは:岡崎宏司のクルマ DE トリップ
マツダのラインアップから、ロータリーエンジン車が姿を消すことに。でも、マツダがロータリーをやめることは考えられません。一時的に姿を消すだけのことだと思います。
著者紹介:岡崎 宏司(オカザキ コウジ)
1940年東京生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。文化的側面からクルマを斬る自動車評論家。輸入車がレアだった45年以上前に、「旅行に行くから」と言って借りた、父のノーマルのベンツでラリーに出場し、優勝したという、やんちゃな過去も。
※この記事は、LUXURY TVより転載しています。
マツダ RX-8に「SPIRIT」を名乗る特別モデルが設定されましたが、実はこれ、RX-8の最終モデルなのです。RX-8は2012年6月をもって生産が打ち切られます。ということは、マツダのラインアップから、ロータリーエンジン車が姿を消すことを意味します。ロータリーファンにとっては聞き捨てならない話でしょう。
でも、マツダがロータリーをやめることは考えられません。つまり、一時的に姿を消すだけのことだと思います。
実際、ロータリーエンジンは、脱化石燃料を目指す次世代内燃機関として、高い適性を持っているとされています。さらには、「靭(しなり)」や「大気」といったロータリーエンジンを積むコンセプトモデルも、モーターショーでマツダのブースを飾っています。そんなあれこれを考えると、そう遠からぬうちに、新世代のロータリー搭載車が登場するのは、間違いないと考えていいのではないでしょうか。
さて、最終モデルのRX-8ですが、235馬力のロータリーエンジンは8200の最高出力回転をあっさり超え、9000回転のリミットまであっさり回りきります。この高回転域での滑らかな回転感には、やはり、ロータリーならではの特別なものがあります。実に気持のよいものです。
とはいえ、極低回転域から太いトルクを発生する、最新のエンジンと比較してしまうと、やはりトルクには物足りなさを感じてしまいます。たぶん、次世代ロータリーは、この辺りを大幅に改善してくるのでしょう。大いに期待しながら、楽しみに待ちましょう。そして、RX-8、お疲れさまでした。(文&撮影:岡崎宏司)
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