最近話題のPC用メガネ、子どもが使ってもいいの?:アイティメディア社員座談会(2/2 ページ)
生まれながらにして身の回りにPCや携帯型ゲーム機などがある「デジタルネイティブ」な小学生。昨今話題のブルーライトの影響はないのだろうか。
――タナカさんのところは、女の子2人ですよね。どうでした?
タナカ: 2人ともメガネは掛けていなかったので、違和感の方が大きかったみたい。うちでは、iPadは1日15分までと決めて使わせているけど、ブルーライトカットメガネを掛けることで視界が狭くなるような感じがするらしく使うのを嫌がってた。親として気になるのは、子どもがブルーライトカットメガネを長時間使っていても眼に影響はないのかということ。白が白く見えないという状態はどうなんだろう。
井手先生に聞いてみた
常に色が異なって見えているという状態でずっといるのは、よくないかもしれません。また現時点では、子どもがブルーライトカットメガネを長時間使った場合のデータもありません。ただ、ブルーライトをカットすべき時間、つまりPCやモバイル端末、TV、ゲームを長時間見ていること自体が眼に負担を与えるものです。必要に応じて使用するスタイルが好ましいのではないかと考えます。
タナカ: 結局、友達から「あれ、○○ちゃん、メガネだ」って指摘されたのが一番嫌だったみたいで、今では全然使わなくなってしまった。iPadを使うときには掛けなさいと指導しているけど、自発的には使ってくれないね。使っていたときは「疲れにくくなった」って言ってたから、いまはどのように習慣化していくか考えているところ。
ミツヤ: うちも母親はiPadやニンテンドーDSを使わせないように育ててるね。
タナカ: 確かにDSを与えると、親にとって子育てが楽になるというのは分かる。でも眼も悪くなるんじゃないかな。これは親のしつけだと思うけど、時間を守らせてやるのと全部ダメっていうのとに分かれている気がするよ。
ヤマモト: でも、友達との付き合いでDSは人気があるんだよね。うちの子は持ってないけど、友達に借りて遊んでいるみたい。
ミツヤ: 誰かが遊んでいるDSの画面に、子どもが顔を寄せ合って見入っているんだよね。そういえば最近の薄型TVもLEDじゃない。あれはどうなんだろう。
井手先生に聞いてみた
機種により異なると思いますし、視聴する番組によっても異なるので、ブルーライトの影響は一概には言えません。しかし、見る時間と距離には注意した方が良いでしょう。また、スマートフォンや携帯型ゲーム機など、画面の小さいものを近づけて見ると眼の調節に負担がかかるので眼は疲れやすくなります。
――最近の小学校の授業にはPCを使うものがあると聞きますが、みなさんのところではどうでしょう?
ヤマモト: うちは3年くらいからあるね。ほかにも「パソコンクラブ」っていうのもある。
タナカ: 5年生くらいから月1くらいで。
ミツヤ: まだ小学1年生だけど、上級生になればPCを使う授業もあるだろうね。
タナカ: PC作業をしていると疲れ目になるのは分かるけど、ドライアイについてはどうだろう? ブルーライトカットメガネに何か良い効果があるのだろうか。いずれにせよブルーライトカットメガネについては、マイナスの効果についてのデータが少ない状況だから、最低限の時間だけ掛けさせるようにしようと思うよ。
井手先生に聞いてみた
青い光には、ぼやけやすいという性質があります。目がピントを合わせようと調節し続けることで目が疲れやすくなります。一方、ドライアイは、ブルーライトが原因というよりも、PCを見続けることで瞬きが減り、涙が乾きやすくなるという別の理由もあります。しかし、疲れやドライアイは鶏と卵の関係のようにどちらが先か分からないのと同じで、お互いに関連しています。
PCを長時間使う大人ならば、疲れ目対策としてブルーライトカットメガネを自発的に掛ける人も多い。しかし、メガネ自体を嫌がることが多い小学生に慣れてもらうのは大変そうだ。
人間の眼には水晶体と呼ばれるレンズがある。これは大人になれば自然と黄色くなっていくが、子どもの眼のそれは水晶体という名のとおり透明だという。このことから、子どもの眼のほうがブルーライトの影響を受けやすいと指摘する専門家もいる。
小学校でPCの授業があるだけでなく、小学生の間でも人気の携帯型ゲームからもブルーライトは発生しているし、スマートフォンやタブレット端末が身の回りにあるのが当たり前という「デジタルネイティブ」な子どもたち。かれらの眼をどのように守っていくのか、親として考えなければいけない時代なのかもしれない。
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