「86」のサーキット実走行データ、グランツーリスモ上で再現

トヨタ自動車とデンソーは、サーキット走行データを取得するシステム「CAN-Gateway ECU」を公開した。86に搭載可能で、2013年末に市販する。

[Business Media 誠]

　トヨタ自動車とデンソーは、サーキット走行などで取得したデータをスマートフォンアプリなどにリアルタイムに伝送できるシステム「CAN-Gateway ECU」を公開した。小型FRスポーツ「86」を対象に、レース関係者にモニター提供したのち、2013年末に発売する。

CAN-Gateway ECU（出典：トヨタ自動車、クリックで拡大）

　CAN（Controller Area Network）は、相互に接続された機器間でデータを転送するための規格。現在の自動車は、100個以上のECU（Electronic Control Unit）と呼ばれる制御用コンピュータをさまざまなパーツで搭載している。

　CAN-Gateway ECUは、走行中の車両からアクセルペダルストローク、ステアリング回転角、ブレーキ操作信号、シフト操作信号、エンジン回転数、車速といった各種走行データと、専用に搭載したGPSによる位置情報を受信する。アプリ開発者は、このデータを使ったゲームアプリなどを開発できるという。

　例えば、富士スピードウエイなどの主要サーキットで走行したデータを、USBメモリを介してPlayStation3専用ソフトである「グランツーリスモ5」をベースに開発した専用ソフトに入力すると、同ゲーム画面上で走行シーンを再現できる。

グランツーリスモのサンプル画像（出典：トヨタ自動車、クリックで拡大）

　ほかにもBluetooth通信を使ってデータをスマートフォンに送信することで、水温などの車両情報をリアルタイムに表示可能だ。蓄積したデータから、ライン取りやブレーキングポイントなどをコーチングするドライビングアプリなどの活用が期待できるという。