機内で入国審査? ガルーダ・インドネシア航空搭乗記:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(3/4 ページ)
成田、羽田、関西の3空港から首都ジャカルタとバリ島のデンパサールへ、週28便を運航するガルーダ・インドネシア航空。日本からの路線では、実にユニークなサービスを展開する。そのサービスを実体験するため、成田からジャカルタへ飛んだ。
サバイバル訓練で培った抜群のチームワーク
高野さんは2010年11月にガルーダ・インドネシア航空に新卒で入社した。日本人2期生として採用された16名のうちの1人である。入社後、半年間におよぶ新人トレーニングを経て、実機への乗務がスタートしたのは2011年6月。私が前に彼女に会ったのも、ちょうどそのころだ。半年間の新人トレーニングというのは、他のどのエアラインよりも長い。それについて、高野さんはこう話していた。
「トレーニング期間中は、いろんなカリキュラムが組まれています。日本や韓国、中国などから採用された新人がグループ分けされてのオリエンテーリングがあったり。各グループに課題が与えられて、その解決方法をみんなで話し合って発表するんです。国民性による考え方の違いなどが分かり、相手のことを理解するのにとても役立ちました」
ジャカルタ近郊のプンチャック山ではテント生活をしながらのサバイバル訓練も行われるそうだ。ジャングルの中で急峻(きゅうしゅん)な斜面を登ったり、川を泳いで渡ったり。客室乗務員というのは、そこまで体力をつけないと務まらない仕事なのか? 私が疑問を口にすると、高野さんは笑って首を振った。
「狙いはチームワークづくりです。新人トレーニングにはサービス訓練と保安訓練があって、一つひとつの項目を何度も反復しながら頭と身体で覚えていかなければなりません。途中、何度かくじけそうになったこともありますが、サバイバル訓練で通じ合った仲間たちと励まし合うことでゴールを目指して頑張ることができました」
その後の実際のフライトで、高野さんの言う「チームワークの良さ」を垣間見ることができた。
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