シートと機内食に見るファーストクラスのニュートレンド:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/3 ページ)
キャビン最前方の仕切られた空間に、ごく限られた数だけ設置されているファーストクラス。閉ざされたカーテンの向こう側には、どんな世界が広がっているのか? 豪華シートと機内食から、この最上級クラスのニュートレンドを探ってみる。
最善のサービスで“食”のシーンを演出
機内食についてはどうか? よく「ファーストクラスの機内食のトレンドは?」と聞かれて、答えに詰まってしまうことがある。もやは「トレンド」といった視点では語れないほどこのクラスの食事は豪華で、各社とも提供できる最善のサービスを用意して利用者に応えているからだ。
高級なシャンパンやプレミアムワインなどの食前酒で始まり、前菜、そしてメイン料理をそれぞれ5、6種類から選択。メイン料理は日本のエアラインなら和食に、外資系は各国のご当地グルメに力を入れている。もちろんそれ以外の料理もクオリティに遜色(そんしょく)がない。ご覧の写真は、JALのファーストクラスで提供される洋食メニューの一例である。
一人ひとり違う要望にパーソナルに応えてくれるのも、このクラスの特徴である。決まった時間に全員に提供するのではなく、多くのエアラインが「好きなときに、好きなものを」とフレキシブルなサービス体制をとっている。
ところが、それほどの“もてなし”を用意されながら、ファーストクラスには「仕事に集中したい」などと食事を断る乗客もいる。一般の乗客からみればもったいない話だが、だからといってエアライン側も「はい、そうですか」とサービスを止めるわけにはいかない。そういう乗客には出発前に食事を済ませてもらえるよう、空港のファーストクラスラウンジで豪華な食事を用意。「地上でも空の上と変わらないサービスを」というのが各社の目標であり、今後利用する機会のある人は、出発地の空港に到着してから到着地の空港を出るまで、「食事」の面でもトータルに楽しむ気持ちで臨むといいだろう。
関連記事
- これがファーストクラスの最高峰、エミレーツ航空の「プライベートスイート」だ
贅沢の粋をきわめたエアライン各社のファーストクラスのなかでも、エミレーツ航空がオール2階建て機エアバスA380に設置した個室キャビン「プライベートスイート」はとにかくスゴい! 成田からドバイへのEK319便で体験した、極上の空のもてなしをレポートする。 - JALの現役CAに聞く──ファーストクラスのサービスと“和”のもてなし
JALが利用者数を伸ばしている。その“復活”を支えてきたのが、サービスの最前線で活躍するCA(客室乗務員)たちだ。JALサービスの極意について、最高峰であるファーストクラスを担当する現役CA、秋澤麻由さんに聞いた。 - ルフトハンザの超豪華ファーストクラス専用ターミナル
ドイツのフランクフルト空港には、世界でも珍しいファーストクラスの利用者だけの専用ターミナルがある。運営するのは、同空港をハブ拠点とするルフトハンザだ。今回はこの“究極”ともいえる施設に、読者のみなさんをお連れしよう。 - 「全席通路側」がビジネスクラスの最新トレンド
エアライン各社はここ数年、ビジネスクラスの革新を進めてきた。従来のファーストクラスをしのぐ豪華シートも登場している。その最新トレンドは、ズバリ「全席通路側」だ。 - 「秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話」バックナンバー
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.