腕時計に話しかけろ――Android Wearが思いがけず楽しいぞ:合言葉は「OK Google」
腕時計型端末に向かって話しかける――特撮モノのヒーローのようなあのアクションは、スマートウォッチ「Android Wear」があれば実現可能。先日Googleのイベントで、筆者も初めて体験してみた。腕時計に話しかけるのは、期待以上に楽しいし、予想以上にいろいろなことができてびっくりする。
「よし分かった。今行く」――子どものころ特撮もののテレビ番組や映画で、隊員がはめている腕時計型の通信機に憧れたことはないだろうか? かかってきた通信に即座に対応できる上に、“腕時計に話しかける”という行為が何だかカッコイイ。そんな子どものころの憧れを現実のものにしてくれるのが、Googleのスマートウォッチ「Android Wear」だ。
グーグルは11月12日、報道関係者向けに同社の最新製品のタッチ&トライイベントを行った。展示されていたのはNexus 6や9、Chromebook、Chromecast、Nexus 6を使った段ボール製のヘッドマウントディスプレイアダプタなど。しかし、なんといっても筆者が心惹かれたのはAndroid Wearだ。というわけで本記事では、Android Wearとはどんなものか、Android Wearで何ができるのかを紹介しよう。
まずは「OK Google」と話しかけてみよう
Android Wearは一言でいえば「Android端末とBluetoothでペアリングして使う腕時計型デバイス」。スマホ本体でできることの一部を、手元で操作可能にするものだ。逆に言うと、Android端末(Android 4.3以上)がないと、Android Wearだけではほとんど何もできない。
小さい端末なので、タッチ操作ではなく音声認識を多用する。Android Wearを使う第一歩として、まずは「OK Google」と話しかけてみよう。
シンプルな使い方は、「OK Google」に続き知りたいことを話す、というもの。Web検索や経路検索が手元で簡単にできる。
スマホはもうかばんの中に入れっぱなしで大丈夫
スマートフォンはどんどん液晶の大型化が進んでおり、6インチサイズのいわゆる「ファブレット(PhoneとTabletの造語)」端末も増えてきている。こうなってくるとポケットにはもう入らないので、かばんに入れておく……ということも増えるが、届いたメールや電話の着信に気づかず、対応が遅れてしまうといったことも起こりかねない。
しかし、スマートウォッチ「Android Wear」があればそんな心配は不要だ。腕に着けていれば気付かないということもない。メールや電話の着信はもちろん、メッセージ(Googleハングアウト、Facebook、LINEなど)が届いたときも手元で読むことができる。読むだけではなく、簡単な返信も可能。Android Wearに向かって話しかければ、音声認識で簡単に返事を送れる。
メモも手元で取れる
またスマホがかばんの中にあると、せっかく、いいアイディアを思いついても、メモを取るのが面倒になり、「あとにしよう」と思っているうちに結局書き込むこと自体を忘れてしまう、ということも。そんな問題もAndroid Wearで解決できる。「OK Google」と呼びかければ、簡単な操作で、スマホを取り出さなくともリマインダーをセットしたりメモを入力したりできるのだ。
プリインストールされているアプリだけで、いろいろなことができる。例えば、今日の天気や予定を確認したり、好きなスポーツチームの試合結果や株価などをチェックしたり、レシピからカロリー計算をしたり、Google マップと連動して目的地までのナビをAndroid Wear上に表示したり……といった感じだ。Android Wear対応のアプリも徐々に増えてきているので、GooglePlayで対応アプリを探してインストールすれば、さらに用途は広がる。
歩数や心拍数もAndroid Wearで確認
Google Wearには、フィットネスアプリ「Google Fit」がインストールされているので、健康管理やトレーニングに役立てることもできる。目標を設定し、毎日の歩数をカウントして記録したり(全機種)、心拍数をチェックしたり(Samusung Gear Live、LG G Watch R、ASUS ZenWatchが対応)することもできる。
このほか、Google Nowの機能と連携して、自分が乗る飛行機の搭乗券の情報を確認したり、ニュースアプリのヘッドラインを読んだり、Twitterのタイムラインを見たり、スマホのカメラのシャッター操作をしたり……といったことも可能となっている。
丸形フェイスの「LG G Watch」が時計っぽくて気になる
今回展示されていたのはすべて日本で購入可能なもので、LG電子の「LG G Watch」「LG G Watch R」、サムスン電子「Samsung Gear Live」の3種類が販売中。価格はそれぞれ2万2900円、3万3900円、2万2000円(税抜)となっている。
これから発売されるのは、唯一皮革製バンドを備えた「ASUS ZenWatch」で3万2184円。カラーバリエーションが選べる&今回展示されている中で唯一充電用の専用ドックが不要な「Sony SmartWatch 3」の実勢価格は2万5000円前後だ。
筆者が最も気に入ったのは、唯一の丸形フェイス「LG G Watch R」。やはりこれが見た目一番時計らしい。また、「ASUS ZenWatch」は革バンドの部分を自分で交換できるのが楽しそうだ。
気になる電池の持ちについても聞いてみた。「とりあえず全機種、フル充電しておけば1日は持ちます」という回答だったが、LG G Watchを個人でも使っているという説明員によると「使うときだけ液晶のバックライトを付けるなどうまく使えば、1回の充電で2日くらい使える印象」とのことだった。
Nexus 6 のような大画面スマホと、スマートウォッチが同時に展示されることで、組み合わせた際の利点が実感できるイベントだった。さまざまなメーカーが参入し、個性豊かなデザインの製品が投入される Android Wear。この冬商戦で注目されるのは間違いない。読者もお気に入りの1台をチェックしてみてはどうだろうか?
今回展示されていたAndroid Wear。左からASUS ZenWatch 、Samsung Gear Live 、LG G Watch 、Sony SmartWathc 3、LG G Watch R
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