デスクトップ検索アプリケーション比較

Google、Yahoo!、MSNをはじめとする5種類のデスクトップ検索ツールの長所と短所を端的にまとめる。(Lifehacker)

» 2006年07月05日 12時49分 公開
[Wendy Boswell,Lifehacker]
LifeHacker

【この記事は、2006年4月13日付で米ブログメディア「Lifehacker」に掲載された記事を翻訳したものです。】

 自分のコンピュータにインストールし、Webではなく、自分のマシンの中にあるファイルを検索できる「デスクトップ検索アプリケーション」の人気がうなぎ上りだ。Googleでdesktop searchと検索すると、結果はなんと7億以上!

 だが、どのデスクトップ検索アプリケーションが最高なのだろう? 今回は、ダウンロード件数で上位5位のGoogle、Yahoo!、Copernic、Ask、MSNのアプリケーションについて、長所と短所を簡単にまとめる。

Google Desktop Search

長所 Googleは、最新版でDesktop Searchをさらに進化させた。気の利いたサイドバーが追加され、メール、天気予報、株価情報、メモ帳など各種の情報やツールにここからアクセスできる。ほかにも、キーボードショートカットのQuick Search Box、自分のマシンで他人に自分のデスクトップを検索されるのを防ぐロック機能、Outlookツールバー、検索オプションフォームを備え、またWordからPDF、ビデオまで、各種のファイルを検索できる。

短所 プライバシー保護を唱える人はGoogle Desktopの「複数のコンピュータ上のデータを検索」する機能に懸念を示している。この機能は、Google Desktopのサーバにユーザーのファイルをコピーする。ただし、使わなければならない機能というわけではなくデフォルトでは無効となっており、有効にする場合、特定のファイルをアップロード対象から除外することもできる。またGoogleによると同社に渡った情報は、検索用に30日間のみ格納されるという。

Yahoo! Desktop Search

長所 Yahoo! Desktop Searchは、かなり本気でファイル検索に取り組んでいる。メールから音楽、画像まで、何でも検索できることに加えて、無料でダウンロード可能な拡張パックを使えば、300以上のファイルの種類に対応できる。また「インスタント・プレビュー」機能は、われわれのようなせっかちな早打ち人間にはありがたい。

短所 Outlookのメールを検索できるのはいいのだが、パスワード保護されていてもメールのプレビューができてしまう。Yahoo!もこの問題には気付いていて、「理想的な振る舞い」ではないため対処しようとしている。また、これは筆者の見落としかもしれないが、Firefoxの閲覧履歴とキャッシュ情報のインデックス登録をコントロールできることが説明書きのどこにも書かれていないようだった。

Copernic

長所 Copernicは非常に強力なデスクトップ検索アプリケーション。ファイルが保存されると文字通りすぐインデックス登録し、ファイルは個別のプレビューウィンドウでプレビュー表示できる。加えて、キーワードやカテゴリーで検索を分類するのに非常に長けており、われわれのような「ユニークな」(と言ってしまおう)情報整理スキルを持つ者にはとてもありがたい。

短所 Copernicはファイルが作成されるやいなやインデックス登録するが、これはインデックス登録を中止することがないという意味だ。このことが事実上、過負荷の問題を起こす可能性がある。加えて、筆者個人はCopernicでのデスクトップ検索を大いに活用し、何の問題にも遭遇していないが、Copernic関連で問題にあいながら適切なサポートを受けられずにいるユーザーがいることも知っている。また、Copernicの即時インデックス登録はWindows XP/2000/NTでのみ機能する。古いバージョンのWindowsを使っている人には残念だ。

Ask

長所 Ask Desktop Searchは、利用するブラウザかAskのインタフェースの中でデスクトップ検索結果を閲覧できるという便利な機能を備えている。また、多くのアプリケーションの中での利用が可能。例えば、Wordを開き、「ふわふわの子猫についての詩」をどこに保存したか思い出せないとき、Wordの中からAsk Desktop Searchを使って探すことができる。Ask.comアプリケーションインタフェースの中でファイルをプレビューすることもできる。

短所 Outlook以外の電子メールクライアントをサポートしていない。Operaブラウザに対応していない。

MSN

長所 MSNのデスクトップ検索で筆者が気に入っている点の1つは、インデックス登録する対象を選べること。MSNサーチツールバーにバンドルされており、このツールバーにはタブブラウズ、自動フォーム入力、ポップアップブロックなど、各種の便利な機能が備わっている。デスクトップ検索は、200種類以上のファイルに対応している(完全なリストはこちら)。いったんインデックスを作成すれば、デスクトップ上のファイルをすぐさま検索できる点もありがたい。

短所 なぜだかFirefoxとの相性が悪い(「なぜ」と言う方が嫌みか)。基本的にMicrosoft製品と連動し、Eudora、Thunderbirdなど、ほかのメールクライアントは対象外。加えて(私見だが)マシン全体で幅を利かせ、至る所に統合されている。例えば、これと一緒にOutlook用、ブラウザ用、デスクトップ用の3つのツールバーがインストールされる。

デスクトップ検索の未来について一言

 各社のパッケージに1つ共通していることがある。どれもMac OS Xに対応していない点だ。市場シェアのせいかもしれないし、OS Xに組み込まれたSpotlight機能で(Windowsのファイル検索とは違って)事足りるせいかもしれない。だが、パーソナルコンピューティングの未来に何はともあれ期待を抱く人なら、Windowsの次期バージョンVistaに高速で完璧なデスクトップ検索機能が組み込まれれば、こうしたアプリケーションはほとんど存在意義をなくすのではと想像するだろう。

当面は比較検討して選択を

デスクトップ検索サービスについての結論: 日常使用するものとしてどのパッケージを選ぶかは、どんなファイルとアプリケーションのサポートが必要かに応じる。ここで挙げたデスクトップ検索アプリケーションには、それぞれ固有の難点や機能があり、喝采も浴びれば批判も浴びている。だから、今回のような記事を読み、リサーチし、自分で実際に試用してみることを強く勧める。結局、最終的に重要なのは皆さん自身の考えと体験なのだ。

本稿筆者ウェンディ・ボズウェルはAbout.comのWeb検索担当エディター。

アイティメディア編集部注:各デスクトップ検索サービスで、日本語版がリリースされているのは、「Googleデスクトップサーチ」「MSN サーチ ツールバー with Windows デスクトップ サーチ」「Copernic 2001」。日本語環境では、英語版のまま動作するものもあるが、動作が不安定になるアプリケーションもある。


この記事は、Lifehackerの発行元である米Gawker Mediaの許可を得て、アイティメディア株式会社が翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。

注目のテーマ