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» 2006年08月10日 16時36分 UPDATE

シゴトハック研究所:ルーチンワークが溜まって困る【理論編】

「月末は何かと忙しい」と感じたことはありますか? これら溜めてしまうとやっかいなルーチンワークを効率よくかたづけるための考え方をお話しします。

[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題:ルーチンワークを効率よく片付ける

状況説明:「月末は何かと忙しい」「決算月はバタバタする」という“ぼやき”が会話に登場することがあります。これは、通常の営業日とは異なる仕事が一時期に大量に発生することが原因と考えられます。

 例えば、交通費をはじめとする経費の精算、月例レポート作成やそのためのデータ集め、あるいは(これは経理部門に限られるかもしれませんが)請求書の発行や入金確認および経理システムへの入金入力といった、1つ1つはちょっとした作業ながらも、量がかさむとかなりの労力を必要とするタスクに追われるわけです。

 このように、溜めてしまうとやっかいなルーチンワークを効率よく片付けるためにはどうすればいいでしょうか。


コツ:最適頻度を見極める

 そもそもこういったルーチンワークが溜まってしまうのは、自然発生的に溜まっているのではなく、故意に溜めているからと考えられます。発生する都度処理をしていたのでは効率が悪い、ということで「月末にまとめてやろう」という方針を採っているとすれば、まさにそれが“故意”です。

 では、なぜその都度処理をすると効率が悪いのでしょうか。ある知り合いに聞いた話ですが、会社が導入している、経費を入力するシステムの処理速度や応答速度が遅く、いつしか「イライラするのは月に1回にしたい」という心理が働いて、「月に1回なら」ということで仕方なく遅いシステムに向き合うことになるのだとか。

 この例では、もっとサクサク動くシステムにリプレースすれば問題は解決しそうですが、どうも原因はそれだけにとどまりません。つまり、システムがサクサク動いたとしても、数値的な効率は向上するかもしれませんが、作業の内容は変わりませんので、「仕方なく」という気持ちは残るでしょう。この気持ちを「効率が悪い」というもっともらしい理由にすり替えている可能性があるのではないかと思うのです。

 同じく30分かかる「仕方なくやるタスク」と「嬉々として取り組めるタスク」という2つのタスクがあった場合、よほどの理由がない限り、後者の「嬉々として取り組めるタスク」から手をつけるでしょう。

 同じ時間ですから、結果としては30分が経過するだけです。でも、終わってみて気分がいいのは「仕方なくやるタスク」ではないでしょうか。先送りしがちなタスクを早く終えることができれば、その分だけ「仕方なくやる」というプレッシャーから早く解放されるからです。

 残っているタスクが「嬉々として取り組めるタスク」ばかりであれば、やる気も出てきますし、実際早く終えることもできるでしょう。逆に「仕方なくやるタスク」がたくさん残っていると、気分が沈み、従って仕事のスピードも鈍化、結果として「効率が悪い」という判断が下されることになるわけです。

仕方なくやる仕事を、少しでも“嬉々として”やる方法

 そこで、「仕方なくやるタスク」を“仕方あらしめる”、すなわち少しでも「嬉々として」取り組める状態に近づける方法を考えてみます。

 まず、「仕方なくやるタスク」と「嬉々として取り組めるタスク」の関係を再度整理してみます。

  取っつきの良さ 終えた時の気分
「仕方なくやるタスク」 ×
「嬉々として取り組めるタスク」

 文中では「嬉々として取り組めるタスク」を終えた時の気分については言及していませんでしたが、「仕方なくやるタスク」と比べると、「そこそこ」という感じではないでしょうか(そういう意味で○)。

 とはいえ、「仕方なくやるタスク」も大量に溜めてしまうと、それを終えたとしても達成感よりも徒労感の方が勝り、気分の良さも吹き飛んでしまいます。そうならないためにも最適な分量というものを探ります。探るにあたって、人はどういう時に気分がいいかを考えてみると、

  • 仕事を期限より前に終えることができた時

 はその1つといえます。

 月末にまとめてやろうとすると、当然期限に追われる形になりますので、あまり気分はよくありません。そこで、例えば週に1度、毎週金曜日にその週の分の経費を入力してしまうようにしてみます。すると、通常の4分の1の量で済むため、「え、これだけでいいの?」と感じられるはずです。

 さらに、従来は月に1回しか味わえなかった「やり終えた!」という達成感が月に4回味わえるようになります。しかも毎週1週間分を処理するというタスクは自分で決めたことであるため、期限に追われるということもありません。

 これは週に1度という頻度がこのタスクにとっては最適なものだからだと考えられます。例えば、掃除をするのは毎日よりも週に1度の方が、目に見えるゴミが一掃できて「掃除してキレイになった!」という実感をともなったいい気分を味わえることに似ています。毎日ですと「昨日とたいして変わらないのに掃除をするのは何だか損をしているような気がする」という気持ちが勝ってしまい、逆効果です。

 経費の入力だけに限らず、溜めてしまうと困るタスクについては、この「損をしているような気持ち」を感じない程度で、しかも毎回達成感を味わえるような頻度で片付けるようにすると良いでしょう。

筆者:大橋悦夫

仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)がある。


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