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» 2006年09月21日 17時45分 UPDATE

シゴトハック研究所:オンラインツールとローカルツールの使い分けで困る【理論編】

次第に実用的になってきた、GmailやWritely、RSSリーダーなどのオンラインツール。しかし、作業によっては従来通りローカルのアプリケーションを使ったほうがいい場合もあります。

[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題:オンラインツールとローカルツールをうまく使い分ける

状況説明:最近では、GmailWritelyなど、Webブラウザを通して使う、いわゆるオンラインツール(オンラインサービス)の機能と使い勝手がローカルツール(PCにインストールして使ういわば“オフライン”アプリケーション)に迫るものになってきています。それぞれオンラインであることのメリットを活かした、ローカルツールにはない便利さを提供しています。

 とは言え、依然としてローカルツールの方が便利な局面もあります。オンラインツールとローカルツールはどのような視点で使い分ければいいでしょうか。


コツ:複数人での「シェア」の有無で判断する

 まずは、オンラインツールとローカルツールの特徴について整理してみます。

ツール オンラインツール ローカルツール
使用状況 場所を選ばない オフラインでも使える
特徴的な強み 情報をシェアできる レスポンスが速い
隠れた強み バックアップになる データの再利用・加工がしやすい

 まず、オンラインツールの一番の特徴は、ネットにつながる環境さえあれば、どのPCでも同じ環境を再現できることでしょう。旅先でネットカフェに入ってWebメールでメールチェックをするという使い方もよく見かけるようになりました。あるいは、個人的なメモを自分専用のWikiに保存しておけばノートPCを持ち歩かなくても必要な情報にアクセスできます。

 次に、特徴的な強みとして「複数人で情報をシェアできること」が挙げられます。例えば、Wikiを公開することによって、情報を発信するだけでなく広く集めることもできます。このメリットを最大限に活用している事例としては、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』があります。

 そして、隠れた強みとしては、バックアップになることが挙げられます。ローカルツールにはHDDがクラッシュするとデータをすべて失うというリスクがありますが、データがサーバに保存されるオンラインツールを使うことはこういったデータ紛失のリスクヘッジになります。特に3Gバイト弱という容量を誇るGmailではまさにこの用途にうってつけといえるでしょう(もちろんツール提供会社のサーバ障害というリスクもありますが)。

 一方、ローカルツールの特徴はどうでしょうか。まず真っ先に挙げられることは文字通りネットに接続していない状態(ローカル)でも支障なく使えるということでしょう。

 次に、特徴的な強みとしてレスポンスの速さがあります。オンラインツールがネット接続を前提としており、操作のたびにページの読み込みが発生するため、ローカルツールと比べるとどうしても待ち時間が多くなってしまいます。ただ、この点については、Ajaxの登場によりページ読み込みを最小限に抑えたり、キーボードショートカットが使えるようになったりと、一部ローカルツール並みの使い勝手を実現しつつあります。

 そして、データの再利用や加工がしやすいという強みもあります。例えば、エクスポート機能により、AccessやExcelのデータをCSVファイルに書き出して、別のアプリケーションにインポートすることで同じデータを再利用することができます。

 ただ、この点についても、一部のオンラインツールではサポートされています。例えば、RSSリーダー「livedoor Reader」をはじめ、ほとんどのオンラインRSSリーダーはエクスポートとインポートの機能を備えているため、ツールの「乗り換え」がスムーズにできるようになっています。

作業の特徴から使い分けを考える

 上記の特徴を念頭に使い分けを考えてみます。両者の特徴をまとめると、オンラインツールは「シェア」を前提とする作業に向き、ローカルツールは文字通りローカルでもいい作業、あるいはそのほかの事情でローカルで進めたい作業に向く、といえるでしょう。

 「シェア」を前提とする作業は、いい換えればコミュニケーションが発生する作業です。グループウェアが便利だと感じられるのは、扱うデータがスケジュールや作業依頼・報告・連絡などコミュニケーションを前提としたものであり、知らせたい相手に通知するということを特に意識しなくて済むからだと考えられます。

 コミュニケーションの頻度、言い換えればインタラクション(やり取り)の量が多ければ多いほどオンラインツールのメリットを享受できることになります。

 一方、ローカルでもいい、あるいはローカルで進めたい作業は、時間当たりの作業量を重視する作業といえます。あるいは、セキュリティの関係で使用場所や使用者を特定したいというケースも考えられます(個人情報を扱う業務など)。いずれにしても、ローカルツールは単独で完結する作業に向くといえます。

 以上のように、オンラインツールとローカルツールとどちらを使うかで迷った時は、やろうとしている作業の特徴に応じて決めるといいでしょう。

筆者:大橋悦夫

仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)がある。


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