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» 2006年09月27日 12時27分 UPDATE

コミュニケーションをワンランクアップ!:部下のモチベーションを上げるコミュニケーション(5) (1/2)

「コミュニケーションスキル」の最終回は、ミラリング・ペーシング・バックトラッキングと、感覚傾向に合った対話をフル活用した、部下のモチベーションを上げるコミュニケーションを紹介します。

[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]
コミュニケーションをワンランクアップ!
1 上司/部下とスムーズな会話をする
2 口調やボディランゲージの影響をマスターする
3 “売る”ためのコミュニケーション──お客様の3つの感覚モード
4 合コンでケータイ番号をゲットする──恋愛系コミュニケーション

 コミュニケーションで必要なのは、相手と信頼関係を築くことです。部下のモチベーションを上げようとする場合にも、「なんでこんなにモチベーションが低いんだ?」と、上から突き放したように見るのではなく、「そういえば、俺も入社して1年目のときは、こんな感じだったよ」というように、部下の立場に立って見ることです。それができて初めて、「こういうふうになっているから、モチベーションが低いんだろうか」とか、「これをしてもらえれば、もうちょっとモチベーションが上がるかな」と対応を考えることができます。まず相手の立場に立って、体験を共有することが必要です。

 その際に、これまで紹介した、ミラリングペーシングバックトラッキングと、感覚傾向に一致した対話をすることがポイントになります。

感覚傾向に合わせた対話をする

 例えば、モチベーションの下がっている部下が、上司に、「いや〜なんか、この案件は本当に先が見えないですね」と言ったとします。発言の内容から、この部下は視覚傾向の人だということが分かりますね。こんな会話をどう思いますか?

部下 「なんだか先が見えない感じがしますね」

上司 「先が見えないと重い気分だよね」


 一見共感しているようですが、部下の視覚の言葉に対して、上司は体感覚で受けてしまっています。これでは部下は分かってもらえた気がしません。次の例も……。

部下 「この案件を考えると、気分が重くなるんですよ」

上司 「そうか、未来が暗い感じだねぇ」


 逆のパターンですね。部下は、上司の言わんとすることは分かるでしょうが、「同じように感じてもらってないなあ」という気になります。

 では、次に聴覚傾向の人の場合です。

部下 「この案件のことを考えると、『お前には無理だ、無理だ』って声が聞こえてくるんです」

上司 「あ〜、重い感じだね〜」


 あるいは、「未来の見通しがつかないね」って言われたとしたら、どうですか? 分かってもらえていない、感覚がズレていて共有できていない、と感じますよね。これらの場合、相手の感覚傾向に合った受け答えをするべきです。

 部下が、「この案件のことを考えると、未来が暗く見えるんです」と言ってきたら、上司は「暗く見えるんだ、なるほどね」と1回受けておいて、「それでも、先に明かりが見えるとしたら、どんな未来が見える?」と聞きます。こう言うと、部下からすぐに答えは出ないかもしれませんが、話を共有していると受け止めてもらえます。

部下 「この案件のことを考えると、『お前には無理だ、無理だ』だっていう言葉が聞こえてくるんですよ。

上司 「『お前には無理だ』って言葉が聞こえてくるんだ、なるほどね。じゃあ逆に、自分を応援する言葉って、何かある?」

部下 「後ろの方から、たまに『がんばれ』って声が聞こえてきます」

上司 「ああ、『がんばれ』って聞こえてくるんだ!」


 このように、相手の感覚傾向に合わせた対話をしながら、信頼関係を築いていきましょう。

モチベーションを上げていく、「マッチング&リーディング」

 部下のモチベーションが下がっているときに、無理にモチベーションを上げようと働きかけると、部下に「理解されない」という印象を与えてしまうことがあります。このようなシーンを見たことはありませんか?

部下 「(ぐったり座って)いや〜。なんかやる気が出ないな」

上司 「(立ったまま、快活に)どうしたの、もっと元気だそうよ!」

部下 「いや、元気です……」

上司 「(肩を叩きながら)いや、もうちょっとさ、こう、声を出してさっ!」

部下 「はい……」

上司 「これ、面白い案件でしょ!」

部下 「はい……」

上司 「じゃあ、もうちょっと、元気出していこうよ!」


 これだと部下はどんどん落ち込みます。よかれと思っても元気を押し付けるだけでは、強引過ぎてうまくいきません。こんなときこそ、ミラリング・ペーシング・バックトラッキングが大事です。同じ姿勢をとって(ミラリング)、呼吸や口調を合わせて(ペーシング)会話をします。いったん、相手のモチベーションが下がった状態を共有してほしいのです。

上司 (部下と同じ姿勢で口調を合わせて)「どうした、何かあったの?」

部下 「いや、ちょっとこの案件がうまく進まなくて」

上司 「そうか、それ思ったよりうまくいかなかったんだ」

部下 「結構、辛そうなんですよ」

上司 「そうか〜、なるほど」


 ただし、この暗い状態で終わってはいけません。ここで「マッチング&リーディング」という概念をご紹介します。

 、ミラリングペーシングバックトラッキング3つの感覚傾向の一致。これらを総称して、マッチングといいます。マッチングというのは合わせるという意味で、要するに、全部合っている状態です。ボディランゲージ(ミラリング)がマッチングしている、声や呼吸(ペーシング)がマッチングしている、言葉(バックトラッキング)がマッチングしている、感覚傾向に合った会話をしている、ということです。マッチングすると信頼関係を築けて、相手は分かってもらえた気にはなるのですが、それで終わってしまう。その後、良い方向にリードしていく必要があります。1回、どっぷりと落ち込んだ気持ちを共有した後は、そこから上に上がらなくてはいけないのです。

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