SNSよりブログより“緩いコミュニケーション”──ミニブログが続々

Twitterに代表されるミニブログが、国内でもブレイクの兆し。同種のサービスが続々登場する中、11日も写真アップ機能などを備えた「Haru」がオープンした。

» 2007年05月11日 22時25分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 米国発の新しいコミュニケーションツール「Twitter」が、3月を過ぎてから急速な盛り上がりを見せている。Alexaのデータによると日本からのアクセスは米国に次いで2位。この2カ月ほどで、日本でもホットなコミュニケーション手段に躍り出た。

 このサービスのポイントは「ゆるく、軽い」こと。簡単にいえば、「今何をしているのか?」を1行程度書き込んで、友人などが見られるように公開するサービスだ。SNSやブログと違い、相手や読み手をそれほど意識せずに軽いコミュニケーションを取ることができる。こうしたtumblrJaiku、Twitterなどの“軽い”コミュニケーションサービスは、現在「ミニブログ」と呼ばれている。

ミニブログは「ゆるめのSNS」

Haruのトップページ。ミニブログサービスの中で最もユーザーが多いと推定されるTwitterとの連携機能もHaruの特徴だ。Haruに書き込んだ内容を、同時にTwitterにも書き込むように設定できる

 Twitterの隆盛を受けて、国内でも同種のミニブログサービスが立て続けにサービスインした。5月11日にベータ版を公開した「Haru」もその1つだ。

 「ミニブログは、ユーザーに負担感のない軽いコミュニケーションツールなのではないか。言ってみれば“ゆるめのSNS”だ」と、Haruの開発元アセントネットワークスの朴世鎔社長は言う。

 Haruでは、「今何してるの?」に答える形で150文字までの文章を書き込める。内容はブログのように蓄積され、過去の書き込みを遡ることも可能だ。PCだけでなく、携帯電話からの利用を意識しており、携帯からの新規登録や投稿、閲覧も行える。

 ブログほどのカスタマイズ性がない代わりに、容易に始められるのが特徴だ。「一般の主婦が、『いま洗濯物を干したところ』とか、1日の出来事をシンプルにリポートしていたりする」と朴氏は、ミニブログならではの軽い使い方を紹介する。

 Haruでは、Twitterよりも高機能な点として、携帯電話で撮影した写真を文章の代わりにアップしたり、YouTubeなどの動画を貼り付けられたりする機能も盛り込んだ。日本でもPCから更新するよりも、携帯電話から更新する人のほうが多いため、携帯では文字を入力するよりも写真を撮ってアップするほうが“いま何をしているか”を伝えるのが簡単だろうという配慮からだ。

現在公開されている、国内の主なミニブログサービス
サービス名 提供企業 提供開始時期
DooViiチャット アクセラートジャパン 4月9日
ひとことあそび 結城浩さん ゴールデンウィーク
もごもご ドラゴンフィールド 5月9日
タイムログ ナノティ 5月9日
Haru アセントネットワークス 5月10日
Feecle フィークル  
nowa [ノワ] ライブドア 5月末予定

濃いコミュニケーションから、緩いコミュニケーションへ

 “mixi疲れ”などがネットのコミュニケーションの課題としてささやかれる昨今。SNSでの友人との濃いコミュニケーションや、他人に読ませることを前提としたブログ執筆を負担と感じているユーザーも多い。

 サービス提供側も、もっと濃いコミュニケーションを取ってもらおうと機能を拡張してきた。ユーザー同士のやりとりが活発になるほど、コミュニティとしては成功と見なされるからだ。

 高機能で濃いネットのコミュニケーションへの反動からか、シンプルで緩いつながりのコミュニケーションが台頭してきている。ミニブログは、ブログ、SNSに続く、2007年のネットトピックとなっていくかもしれない。

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