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“携帯版Twitter”的機能も ライブドア新ブログは“流行全部入り”

» 2007年05月08日 14時22分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 ライブドアが5月8日に発表した新ブログサービス「nowa」は、最近流行のネットサービスをまとめて凝縮したようなつくりだ。「mixi」のように友人登録できる機能、「Vox」のように公開範囲を限定できるブログ機能、「Twitter」のようにユーザーが今何をしているかを一言で書く機能などをそろえ、一部機能は携帯からも利用できるようにした。

 メインターゲットはネット初心者の女性。コミュニケーションしやすい仕組みを作って日常のおしゃべりをネット上に引っ張り上げ、口コミの集積サイトを作る狙いだ。集まった口コミをタグで分類し、タグに合った広告を配信するなどして広告ビジネスを展開する計画だ。


画像 nowaのユーザートップページ。名前は「○○の輪」から取った
画像 nowaで書いたブログの例

 現在は少数のユーザー向けにクローズドβとして限定公開中。数週間中には、ユーザーが他のユーザーを招待する機能を実装して公開範囲を広げる予定だ。正式公開は5月末を計画している。

Vox+mixi+コトノハ+α?

 友人とリンクできる機能は、mixiの「マイミクシィ」のように相互で登録する「フレンド」と、一方的にお気に入り登録する「ファン」の2種類あり、リンクした友人のブログと、ユーザーが今何をしているかを一言で書けるTwitterのような機能「ナニシテル?」の更新情報を受け取れる。

 ブログは記事ごとに「全体に公開」「フレンドのみに公開」「非公開」を設定できる。記事ごとに、コメントをフレンドのみに限定したり、受け付けないように設定することも可能だ。

 「仕事中」「家に帰った」「ご飯食べてる」自分の状態を一言で書き込めるTwitterのような機能「ナニシテル?」の機能や、「○」「×」で商品を評価できる「コトノハ」のようなレビュー機能も備えた。アクセス履歴を閲覧できる「足あと」機能も装備した。

画像 携帯からもアクセスできる

 「ノワエン」と呼ばれるポイントの仕組みを備えた。当初は1000ノワエン与えられており、フレンドでないユーザーにメッセージを送る際や、他のユーザーをファンに登録する際にポイントを消費する。また、日記を書いたりレビューを書いたり、他ユーザーにファン登録されるとポイントが加算される。

 ノワエンは、無差別なコメント・メッセージを抑制してスパムを防止しつつ、コミュニケーションを活性化させることを目的とした機能。初心者でも安心して利用できる仕組みを目指した。ノワエンを貯めればオリジナルスキンなどデジタルアイテムがもらえる機能も追加する予定だ。

 ブログの投稿など一部機能は現在でも携帯から利用できる。ナニシテル?は、現在は閲覧のみ可能。5月末までには携帯からの投稿に対応する予定だ。

“日常のおしゃべり”をネットに引き上げる

 「ネット上に口コミサイトはたくさんあるが、書き込むのはマニアが中心。日常のおしゃべりのような“自然な口コミ”がとりきれていない。口コミサイトに参加していない人を取り込みたい」――同社コンシューマメディアグループの谷口正人マネージャーは言う。

 ブログだとタイトルを決めたり本文を考えたりするのが面倒、口コミサイトもマニアックで書き込みにくいといった初心者でも、今の状態を一言で書いたり、知っている商品を「○」「×」で評価するだけなら抵抗なく更新できると見ている。

 それぞれの機能は携帯電話にも対応予定。携帯から手軽に「ナニシテル?」を書き込むことができれば、コミュニケーションも広がりそうだ。

 レビュー機能はカテゴリーに分かれている。現在はAmazon.co.jpのデータベースを利用した「商品」と、YouTubeの動画を引用できる「動画」の2カテゴリーだが、順次追加していく計画。「ニュース」「地図」「宿泊施設」などの追加を考えており、それぞれのデータベースを持っているメディア企業や地図サイト運営企業、宿泊施設予約サイトなどと提携してカテゴリーを増やしていく。

 将来は、自分のプロフィールにタグを付けられるようにし、タグごとに情報を整理できるようにする予定。例えば「IT系」「会社員」「及川光博」など、自分の職種や好きなアーティストなどのタグを付けておけば、同じ職種や趣味の人に出会える。

 プロフィールタグを「ナニシテル?」と連携させ、一定の属性の人が同じ時間帯に何をしているか確認する、といった仕組みの構築も考えている。例えば、「IT系」のタグのユーザーの「ナニシテル?」を一覧表示して、午後10時ごろに「仕事中」と書いている人が多ければ、「IT系は深夜まで働いている人が多い」と分かったりする――といった形だ。

口コミを広告媒体に

 ビジネスは、広告モデルを中心に展開する。すでにGoogleのコンテンツマッチ広告「Ad Sense」がブログ画面などに挿入されているほか、レビュー機能はアフィリエイトと連携。Amazon.co.jpのアフィリエイト料が同社に入る。

 プロフィールやブログ記事のタグごとに広告を配信したり、ブログに書き込んだ内容を解析してターゲティング広告を配信する、といったモデルのほか、企業の新商品を、広告料をもらった上で「おすすめアイテム」として紹介して、レビューを書いてもらう――といった展開も考えている。

“SNS卒業生”の受け皿にも

画像 左から、同社の池邉智洋CTO(最高技術責任者)、コンシューマメディアグループの佐々木大輔グループリーダー、谷口さん

 技術者やネット上級者――いわゆる「ギーク」向けサービスを得意としてきた同社としては珍しく、ブログを書いたことがない20代〜30代の女性をメインターゲットに据え、女性誌などに広告展開する。見知らぬ人とも携帯から気軽にコミュニケーションできる機能をアピールし、女性のコミュニケーション欲求を刺激する。

 サービスの性質はSNSや一般のブログサービスとは異なるといい、mixiや同社のSNS「フレパ」、ブログサービス「livedoor Blog」とは競合しないと見ている。mixiやフレパは友人とコミュニケーションするための閉じたツール、livedoor Blogは上級者向けだが、nowaはオープンかつ初心者向けのツールという位置づけだ。

 「mixiだと友人からしか反応がなくてつまらない、という理由でlivedoor Blogを始めるユーザーが増えている。だがlivedoor Blogはカスタマイズが売りの上級者向けサービスでハードルが高い。nowaならブログ初心者にも使いやすく、“SNS卒業生”の受け皿になれる」(同社コンシューマメディアグループの佐々木大輔グループリーダー)

 まずは招待制に移行してユーザー数を拡大し、今後半年で50万ブログの開設を目指す。

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