McAfeeがインターネット上の検索エンジンの安全性を調査した。純粋な検索結果に比べ、リスティング広告には危険なサイトが2.4倍含まれる。危険な検索キーワードには、日本発と思われるワードも挙げられている。
インターネットの検索エンジンが表示する検索結果の中には、アドウェアの配布やスパムメールの送信、ユーザーのコンピュータ設定を不正変更するサイトが含まれている。米McAfeeが6月4日に公開した調査結果によると、全体のうち検索結果の4%が危険なWebサイトにリンクしている。
McAfeeは昨年に引き続き「インターネット検索エンジンの安全性」に関するリポートを公開した。上記のように特定のキーワードでは危険なサイトが表示される割合が高くなっているほか、スポンサー付き検索結果──いわゆるリスティング広告には危険なサイトが含まれる可能性が高い。調査結果によると、リスティング広告に含まれる危険なサイトの割合は、純粋な検索結果(オーガニック)の2.4倍、比率で6.9%に上る。
■危険なサイトへのリンクが表示される割合
検索エンジン | リスティング広告 | 純粋検索 |
---|---|---|
5.4% | 2.8% | |
Yahoo! | 9.0% | 2.7% |
MSN | 7.2% | 3.2% |
AOL | 4.4% | 2.9% |
Ask | 4.1% | 3.3% |
この1年間で、「平均して、検索エンジンの検索結果は昨年のうちに安全性が高まりました。スポンサー付きの検索結果は依然としてスポンサーが付いていない検索結果より平均して危険度が高くなっています。つまり、スポンサー付きの検索結果の安全性は大きく向上する余地が残されている」とMcAfeeはリポートに記している。
またGoogleのスポンサー付き検索結果については、表示される位置によって安全性が異なる。「最初に表示されるGoogleのスポンサー付き検索結果はほとんどの場合、右側に表示されるスポンサー付き検索結果より安全性が高い」(McAfee)
検索キーワードのカテゴリ別では、音楽やテクノロジー関連のキーワードの危険性が高かった。Digital Musicカテゴリーの19.1%が危険なサイトだったほか、「Chat」や「Wallpaper」などオンライン活動のキーワードでは17.5%が危険なサイトにリンクされているという。また成人向けの検索用語は、ほかに比べて危険な検索結果が表示される可能性が2倍。しかも、昨年の8%から9.4%に危険なサイトの比率が向上している。
bearshare | 45.9% |
---|---|
screensavers | 42% |
limewire | 37.1% |
kazaa | 34.9% |
lime wire | 33.3% |
winmx | 32% |
wallpapers | 31.1% |
hentai | 29.7% |
halloween wallpaper | 28.6% |
ringtones | 28.4% |
McAfeeの分析によると、平均的な検索エンジンのユーザーは、1カ月間に43.1回の検索を行い、検索ごとに結果を2.3回クリックする。その結果、8日に1度は危険なサイトを訪問しているという。また検索エンジンを積極的に活用しているユーザーは、少なくとも1日に1回危険なサイトを訪問している計算になるという。
今回の調査は、Google、Yahoo!、MSN、AOL、Askの各検索エンジンについて、一般的によく使われるキーワード2300語の検索を行った。表示された最初の5ページについて評価を行っている。サイトの安全性については、McAfee SiteAdvisorのデータベースに基づいて算出した。
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