既にMacの中にあるデータを再活用する“データ入力のいらない”個人向けデータベースソフト「Bento」が、5040円という戦略価格で日本上陸。来日した米FileMaker社長に、Bentoの狙いとビジョンを聞いた。
MacOS Lepardの機能を活用し、Mac付属のアドレス帳やiCalendarなどのデータを引き出して“データベース”として利用できる「Bento」。現在のMacに欠けていたパーソナルデータベース分野を切り開く製品が、日本でも発表となった。
5040円と値付けも戦略的。FileMaker社の10周年にも当たる発表会の日に、米FileMaker社長のドミニク・グピール社長にBentoについて聞いた。
ITmedia:FileMakerというミッドレンジで強力な商品を一方で持ちながら、今回のBentoは個人向けとなっています。それぞれの製品のポジションをあらためて説明してもらえますか。
Bentoはあくまで個人向け製品であって一人で使うものです。一方FileMakerは複数ユーザーを対象としているので、サーバがあって複数のユーザー間でデータを共有する形になります。2つ目の違いは、BentoはMacのみで、FileMakerはマルチプラットフォームに対応しており、MacでもWindowsでも使えることです。
そして3つ目の違いとして、Bentoの中でわれわれがフォーカスしているのはあくまでシンプル、簡素なものです。データベースソフトを一度も使ったことがない人でも、何の抵抗もなく使いこなしてもらえるものになっています。
FileMakerのほうも、ほかのフル機能のデータベースソフトに比べると使い勝手がいいと言えますが、同時に柔軟性にも焦点を当てています。皆さんが必要としているソリューションを“作り出せる”ことも重視しています。そこがBentoと違うところです。Bentoよりも、自分の思い通りにコントロールできるところはFileMakerが優れているところです。
Bentoというのは一般の消費者の方、家庭で使っている方に向いています。シンプルなものでよいMacユーザーの方は長い間、FileMakerを考えることなくBentoで間に合っていくと思います。
仕事にBentoを使う方であっても、個人経営でコンサルティングをしている方、フリーでライターをしている方は、長い間Bentoで満足してもらえると思います。ただ、中小企業や自分で経営をしていて、だんだんビジネスが大きくなって何人かで情報を共有していく必要がある、Windowsも使える必要があるという方はFileMakerを考えていただけばいいでしょう。
ITmedia:BentoからFileMakerへのアップグレードパスは想定されていませんか?
そうですね。データを移行するということであれば、CSVの形でデータを移すことはできます。あまりかっちりとしたFileMaker、Bento間の統合は目指しませんでした。それには2つの理由があります。
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