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» 2008年06月12日 08時00分 UPDATE

樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」:そんなに用心してどこ行くの? シーン別防犯対策

カバン、ホテル、そしてアンタッチャブル――。海外生活21年の筆者だが、家族に対しても怖い思いを一度もさせなかったことが誇りだ。いくつかノウハウがあるので紹介しよう。

[樋口健夫,ITmedia]

 海外生活21年。この間、さまざまな体験をしてきた。自分では怖がり、慎重派だと思っていても、2回ほど殺されかけたこともある。悪徳警察官にしょっ引かれたことも2度あった。だがいずれも窮地を脱し、家族に対しても怖い思いを一度もさせなかったことが誇りだ。

 世界中で営業活動を行う商社マンだから「出張のプロ」であるべきで、自分の誇りのためにも、犯罪被害に遭遇するのは断固として避けたかった。いくつかノウハウがあるので紹介しよう。

その1:カバンの防犯

 まずは布製のスーツケースベルトだ。誰が発明したか知らないが、素晴らしい。海外に出るときのベルトは絶対に忘れない。911事件の後、米国向けのフライトに載せるスーツケースは、鍵を掛けてはいけなくなった。鍵が掛かっているスーツケースは検査のために無理やりに破壊される可能性がある。

 例外は「TSAロック」という米航空省運輸保安局(TSA)が開発した特殊な鍵であれば、施錠が認められている。要するに、米国向けの預け入れ荷物は鍵が掛かっていないのと同じ状態にあるということ。預け入れ荷物には貴重品を入れてはならない。中の荷物がなくなっても、検査官は一切責任を取らない。

 「PCを預け入れ荷物のスーツケースに入れるのは、絶対にやめてください。壊れるか、なくなります」。係員の言葉が今でも耳に残っている。

 続いてはガムテープ。特に日本製の布テープは便利だ。大きなスーツケースのキーロックの部分には、ガムテープで小さくマスクすること。特にトランジットで、途中の空港から国内線の飛行機に乗り換えるような場合、荷物を預ける時は布テープで局所だけをカバーしておくと、荷物の盗難などを防げるはずだ。

 布テープは鍵ではない。開けなければならない時は、開けてもらっていい。しかし、布テープを張ったスーツケースは、犯罪者の開ける気力を削ぐ。旅行中、ちょっと荷物が多くなり、カバンがはちきれそうな場合、ワインボトルなどのワレモノをカバンに入れる場合のほか、紙バッグで手荷物を増やす時の補強、バッグに開いた小さな穴の補修、書類をファイリングする際の封印など、さまざまな用途が考えられる。バッグの蝶番が壊れて、布テープとバンドで補修して持ち帰ったこともあった。

その2:ホテルでの防犯

 布に金属のワイヤがメッシュ状に縫い付けられた金庫はすでに紹介した。このワイヤ部分を、部屋の丈夫な金具に固定し、汚れものの下着を上に置き隠す。ホテルの連泊で、荷物を広げっぱなしにしていると、ちょっとした貴重品を盗まれることがある。出かけるときには大きなカバンに入れて鍵をかけるのもよい。ハウスキーピングにも油断は禁物だ。

 ホテルの部屋に入ったら、まず「Don't Disturb」(起こさないでください)のカードを外にぶら下げておく。外出の時に、部屋の掃除が終わっていなくても、間違っても「Ready for Room Cleaning」(お掃除してください)の札は出さない。

 廊下を見て掃除の係を探して、先に自分の部屋の掃除を済ませてもらい、チップを渡して、ひと言でもふた言でも、係の人と話をするのが安全対策だ。「キミの事をちゃんと意識しているよ」と思わせるのである。掃除が終わったら、また「Don't Disturb」のカードをかけたまま出かける。

 ホテルの雰囲気が悪い時は、カバンの取っ手に防犯ブザー(パナソニックの「110番ブザー」)を括り付けておくこともある。

その3:アンタッチャブル

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 インドでは29時間の列車旅行をした。犬の鎖と110番ブザーに加えて、最強・最大警報音のマジマ製「アンタッチャブル」を持参して、枕元に置いていた。

 アンタッチャブルはもともと、学校の危機管理のために開発した警報器。両サイドに特殊サイレンを2つ取り付けており、ピンを抜くと130dBというパトカー並みの大音量が発生する。鳴り出したサイレンはピンを元の穴に差し込まない限り鳴り続ける仕組み。棒状の本体は警棒にもなる優れモノだ。

 今回、久しぶりに日本の自宅で鳴らしたが、5年も使っていなかったので、電池が多少くたびれていた。電池を取り換えて鳴らしたら、耳が割れる大音響であった。地方への出張は、このアンタッチャブルを持参していたが、幸いにして使用したことはなかった。

 海外駐在している間、3台も所有していた。会社に1台、家の外のガードマンに1台、寝室のベッドの横に1台――というわけだ。ガードマンには、「強盗が入ってくれば、このアンタッチャブルを投げつけろ。そして逃げるんだ」と指示。ガードマンの交代時は、引き継ぎの合図にアンタッチャブルの警報を毎日数秒間鳴らせていた。

音が出ます。ご注意!

今回の教訓

アンタッチャブル――130dBで追い払う。


著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちら


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