ノートPCを肌身離さず持ち歩く女子にとって、PCは一心同体のパートナーである。当然この相棒を入れるバッグも「よきパートナー」であってほしいもの。PC用バッグ選びで後悔しないための条件とは?
場所を選ばず使えるノートPC。常にバッグに入れて持ち歩く人も多いのでは? かくいう筆者もその1人。となれば、大事なパートナーを入れるバッグもまた、「よきパートナー」であってほしいもの。後悔しないバッグとはどんなバッグだろう?
外見と中身(機能)の両方を追及したPC専用バッグ(以下「専用バッグ」)と、PCを持ち運ぶのにも使える一般バッグ(以下「一般バッグ」)。それぞれを実際に使い、後悔しない「女性用PC用バッグ」を選ぶ条件を考えてみた。今回取り上げる専用バッグは、ソニーが機能・デザインの両面を追求したというVAIO用トートバッグ「VGP-MBL10」。一般バッグは「EXOTICA(エキゾチカ) ツールアップエナメル」。
筆者はノートPC歴が8年程だが、常に一般バッグを使っている。というのも筆者の知る限り、女性用の専用バッグは男性用のそれより見かけることが圧倒的に少ない上、機能面だけ追及してデザインがイマイチなものばかり。全くそそられない。それで「一般バッグで代用するか……」と、となってしまうのだ。今使っているEXOTICA(エキゾチカ) ツールアップエナメルは、機能とデザインの両面を追及してたどり着いた、現時点でのベストパートナーである。
しかし白状すると、筆者はPCをインナーバッグで包まず、そのまま一般バッグに突っ込むことが多い。もちろんじかに入れていいわけない。IT業界に関わる者としてもマズイなあ……という自覚もあった。そんな矢先、「満員電車で押されて液晶が割れた」という周囲の声に後押され、専用バッグを探すことにしたところ――デザインでそそられるものを見つけた。それがソニーの「VGP-MBL10」だったのだ。
VAIO用トートバッグ「VGP-MBL10」。A4サイズ以下のノートPCならVAIOでなくとも、もちろん入る。上部にいくほど幅広になったバケツ状フォルムをしており、外布が黒、ベージュ、ビビッドの3種を用意している。女性用に開発したというが、黒とベージュはシンプルな色だから男性でも使えそうだ。
このバッグの特徴の1つが、衝撃からPCを守ってくれる頼もしさ。
PCを知り尽くすメーカーだから開発できたという、独自構造の板状の緩衝材が、バッグの内側側面のインナーバッグ部とバッグ底面に入っている。横の衝撃から液晶部分を守る側面と、バッグを置いたときの衝撃を吸収する底面は、それぞれ異なる緩衝材を採用しているという。インナーバッグの側面とバッグの底を拳でたたくとコツコツと音がして、いかにもカタそうだ。
一方、もともとPCを入れるためには作られていない一般バッグは、PC本体にフィットする緩衝用のインナーバッグなどにいったん入れてから、改めて一般バッグに入れるなど補強する必要がある。
「衝撃からPCを守る頼もしさ」という条件は、PCを運ぶ専用バッグとして大前提。その上で“使える”PC用バッグを選ぶには、どんなことに気をつけたらいいだろう?
現在、筆者が愛用中の一般バッグを例に考えてみる。バッグは、東京都内中のデパートやバッグ専門店など直接回っただけでも20軒近く、ネットで探したものを含めると、軽く50以上は探してようやく見つけた。伊勢丹ブランド「オンリーアイ」の2008年春夏物として販売していた「EXOTICA(エキゾチカ) ツールアップエナメル」というものだ。
最大の特徴は、A4サイズもスッポリ入る大きさの牛革製にもかかわらず、重さが670グラムと軽いことだ。その上、やわらかくなめした持ち手が肩のラインに沿ってまんべんなくフィットするため、のしかかる重みが分散され、より軽く感じる。PCをはじめ、バッグに入れる物がただでさえ重い筆者にはうってつけだった。色違いで2色そろえたほどだ。
実際に、筆者のバッグに入っていた物の重さを量ると――PCはバッテリーを合わせて1300グラム、携帯電話160グラム、財布298グラム、化粧ポーチ300グラム、文庫本320グラム、雑誌が2冊で377グラム、メガネケース70グラム、そのほか約200グラム――の計3025グラム、約3キロとなった。
これでもまだ少ない方で、多いときは本や雑誌がもっとかさばる。さらに取材時は、一眼レフカメラも持ち歩くことになる。
自然と「せめてバッグ本体は1グラムでも軽く済ませたい」――となるのだ。こんなふうに、ふだん重い荷物を持ち歩く女性でバッグに軽さを求める人は多いだろう。
また、筆者のようにバッグ込みで4〜5キロの荷物を常に持ち歩く女性は、体全体で荷物を支えることができる肩掛けスタイルは必須。肩掛けにするには、持ち手はある程度の長さが必要だ。愛用の一般バッグは持ち手の長さが550ミリ。楽に肩に掛けられる。
一方、ソニーの専用バッグは持ち手の長さが410ミリ。「肩から掛けられる」長さということだが、春服でギリギリ肩掛けできるレベル。着膨れする冬の肩掛けは厳しいだろう。もう少々持ち手は長いほうが、重い荷物を運ぶバッグとしてはありがたい。さらにこのバッグ、持ち手がカタいため肩の1点にしか持ち手が接触してくれない。そのため肩に掛けて1分とたたないうちに接触部分が痛くなってしまった。
また、専用バッグ自体の重さは930グラム。1キロを切る専用バッグはそう見かけないから、健闘している方だろう。ただ、愛用している一般バッグが670グラムと、さらに260グラム軽いため、このバッグにはかなわなかった。
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