みなさん、理科の「実験」は好きでしたか? 私は嫌いでした。というのも実験器具が少なくて自由に触れなかった、というのが大きな理由です――。
突然ですが、みなさん、理科の「実験」は好きでしたか? 小中学校ぐらいの理科の時間のことを思い出して考えてください。一般的には「子供は実験好き」であることが多いのでしょうが、私は実験が嫌いでした。
私の小中学時代というと、学研の「ひみつシリーズ」やら講談社の「ブルーバックス」をものすごい勢いで読破していたころで、本来は理科大好き科学少年だったのです。でも、学校で授業中に実験をするのは嫌いでした。
なぜかというと、実験器具が少なくて自由に触れなかった、というのが大きな理由です。まあ実験の内容そのものも私の興味を引くようなものではなかったのですが、それを抜きにしても面白くなかったのがその「実験器具の不足」です。
不足しているから当然、生徒数人で1つを共用して実験をすることになるわけですが、私のようにコミュニケーション能力に乏しく友達のいない人間が、「同じグループの仲間と話し合って仲良く作業」をすることなどできません。結局私にとっては「実験タイム」はただ不愉快なだけで、それぐらいなら居眠りをしていられる普通の授業中のほうがよほどマシだったわけです。
この話は特殊な例かもしれません。でも、こんな例からでも、1つの教訓といいますか、「学習効果を最大限に引き出すために必要な環境」についてのヒントが得られます。それは、学習者が使う「道具」を適切に選択しなければならない、ということです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.