メモを死蔵しないための2つのステップ【チュートリアル編】シゴトハッカーズ(3/3 ページ)

» 2008年08月22日 18時55分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]
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2.適切なタグを付ける

 メール経由で登録されたメモは、そのままでは「どのように」が確定していない状態です。そこで、一日の終わりにその日に“投稿”されたメモにタグを付けていきます。タグ付けの基準については、前回のチュートリアル編を参照いただくとして、今回は「プロジェクトタグ」について触れておきます。

 プロジェクトタグとは、その名の通りGTDにおける「プロジェクト」を表すためのものです。以下は筆者のプロジェクトタグの例です。

  • 080826_DS-semi
  • 080831_JW-semi
  • 080930_SS_book01
  • 081031_D2-book01

 最初の6けたの数字は年月日を表し、そのプロジェクトの完了予定日あるいは期限です。次の大文字のアルファベット2文字はクライアント名あるいはプロジェクト名の略号、最後の小文字のアルファベット数文字はプロジェクトの内容を表す部分です。

 ポイントは、「プロジェクトタグ」には必ず期限が必要ということです。こうすることで、あるプロジェクトタグが付けられたメモは必ずその期限内に消費されることになります。メモ単体で期限が設定できなくても、そのメモが所属するプロジェクトが期限を持っていれば、おのずとその期限を踏襲するわけです。逆にいえば、所属先さえ明らかになれば、そのメモは確実に死蔵を免れるわけです。

 期限が明確に決まらないプロジェクトであっても、例えば9月中に終えたい、ということであれば、「080930_」のように仮に月末を指定しますし、今年いっぱいなら「08_」と単に年だけを指定する方法でもいいでしょう。いずれにしても、日付情報を先頭に置くことで、タグの並び順が「期限順」になりますから、それがそのままプロジェクト単位の大まかな優先順位を示すことになり、都合がいいのです。

筆者のEvernoteのタグリスト

 順番が前後しますが、新規に「プロジェクトタグ」を付けるメモは、タイトルに「★」が付いたもの、すなわちメール投稿により登録されたばかりのメモ、ということになります。適切なプロジェクトタグを付け終えたら、タイトルを変更するのですが、その際に「★」マークを除去します。こうすることで、タグを付けるべきメモを見つけ出すのが容易になります。メールでいえば、「未読」状態のメモになるわけです。

 週に一度メモを見渡して、「★」が付いているメモを整理します。そういったメモは適切な「プロジェクト」が決まらなかった、いわば“浪人”のようなものです。この種のメモは削除するか、別の「ノートブック」に移すことで、視界の外に追いやります。

 こうして、常にプロジェクトの中で“生きている”メモだけが残るようになる(=メモが死蔵されなくなる)わけです。

筆者:大橋悦夫

大橋
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1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。

筆者:佐々木正悟

佐々木
ks_sasaki.jpg

心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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