実例で見る“ウケる動画”の10のポイント3分LifeHacking

うまく動画が作れないんでCGMサイトに投稿するのもはばかられる……。もう一歩、うまい動画を作るにはどうしたらいんだろう? そんなときに参考になる10のポイント。

» 2008年11月19日 15時00分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 メディアの記事でもブログでも、文章や写真だけでなく動画を使ったものがとても増えてきた。でも、「うまい文章の書き方」や「上手な写真の撮り方」はたくさんの教科書があるが、意外に「ウケる動画の撮り方」は紹介されていないもの。

 そこで「イカ漁師になった女の子」のPR動画募集――などの動画投稿企画などで有名なzoomeの最高メディア責任者の阿部聡也氏に、ウケるネット動画の作り方について聞いてみた。

その1――尺は60秒に押さえよ

 「あくまで、ユーザーの優秀投稿を見て気づいた(学んだ)ことですが……」と話す阿部さん。zoomeは動画クリエイターが集う、ユーザー投稿型の動画CGMサイト。そんな阿部さんが、良いCGM動画のポイントとしてまず挙げたのが尺の長さだ。

 まずは下記のサンプル動画を。

まえまえさん

 「ネットで見るのとテレビで見るのでは、スタンスが違うんです。ネットは能動的に集中してみるので、3分くらいでも長い。60秒前後にするようにしましょう」

その2――とりえず頭と部分を切るだけで

 ではどうやって60秒に抑えるの? ということだが、「カメラに付いている編集機能でいいんです。Windows Movie Makerでも基本的に十分ですよ」と阿部さん。

 次のサンプルは短くメッセージをまとめたサンプルだ。

横浜FC

3――動画の頭にはテロップで要点を

 そして動画の頭には簡単にテロップで要点を入れるといい。まずは下記のサンプルを。

鉄ヲタ

4――垂れ流すとホームビデオになってしまう

 「撮ったものをそのまま垂れ流すと、昔のホームビデオになってしまいます。うまくシーンごとにカットして、コンパクトにまとめるといいです」

きただにひろし

 例えば、イベント会場の動画であれば、まず入り口で全景を撮影し、ブースからブースへの移動シーンは「移動し始めた動きの最初だけを撮る」(阿部氏)なんて工夫をすると、それっぽくなるそうだ。

5――ジェットカットをやってみよう

 「人はしゃべるときに間延びするんです。そこで『えー』とか『うー』とか言っているものをカットする。これはビデオブロガーのジェットダイスケさんが始めたので、“ジェットカット”なんて呼ばれていますが。間が空いたらカットするのは、HDDレコーダーのCMカットの要領ですね」

 こちらのサンプルは、ジェットダイスケさん自身の講演から。

6――ナレーションは凝らなくていい

 「アフレコなどをしてナレーションに凝る必要はないですね。業務用マイクに比べて、どうしてもPC用はクオリティーが悪いのでノイズが乗ってしまったりします。生の音のママでいいと思います。zoomeを使うのなら、動画編集ソフトを使わずにFlash上でテロップが入れられますので、試してみてください」

小明

7――BGMはあったほうがそれっぽくなる

 「BGMはあったほうがそれっぽくなります。私は(ニンテンドーDS用のシンセサイザー)『DS-10』とかで作ったものを付けることもありますよ。BGMはドラムだけでもなんとかなりますし、特に人がしゃべっているときはドラムだけのほうがいいです。作曲しなくても、オープンソース的な曲を探して使うといいですね」

鉄ヲタ

 例えば動画CGMサイトPeeVeeでは、自分の動画に音楽が簡単に付けられるように、7000曲から選べて利用できる「PeeVeeMusic」というサービスを提供している。

8――特に女の子は照明があると違う

 「動画をワンランクアップさせたいなら照明ですね。特に女の子を撮るときは重要です。会議室などでは、上から光が当たるので目の下にくまが出てしまう。蛍光灯でもいいので、左右から当ててあげるといいですよ」

木村裕子

ゆりしー

9――パンとズームは基本禁止

 動画を撮影するときに気をつけたいのが、パンとズーム。パンというのは水平にカメラを回転させることだ。映画アニメではよく見る手法だが、ネットの動画では基本的に使わない方がいいという。

 「ネットで使われる動画圧縮方式の課題なのですが、パンするとブロックノイズが乗りやすいんです」

 最新の動画圧縮技術は、前のシーンと違っている部分だけをデータとして持つことで圧縮をかけるので、全体が変化するようなパンは圧縮が効きにくい。

 「ズームは、一般的には素人は使わないほうがいいと言われている。アップから引いていって、『こんにちは!』などとやる撮り方をテレビなどで見ますが、これはプロがプロ機材を使ってやるテクニックなので、中途半端にやると失敗するんです」

10――テレビのまねをしなくていい。

 最後に阿部氏からのメッセージ。「ネットの動画は、テレビを参考にする必要は全然ないんです。動画っぽくしなくてはならないとか、番組っぽくしようということはしてはいけない。テレビとは違った方程式で作ってください」

 ラジオ的な動画の作りでもいいし、字だけという実験的な動画もアリ。「ブログの文章をそのまま文字で流してもいい」(阿部氏)

ミク先生(映画『イーグル・アイ』の物語について若干触れますので、まだ見ていない方は要注意)

 10のポイントを押さえて、ぜひ気軽に動画を撮影してみてほしい。

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