オフライン利用は、ZumoDriveの場合、キャッシュという形で保持されたファイルのみ可能になる。キャッシュされていないファイルは、アイコンに「×」印がつくので区別できる。
ローカルストレージのうち最大何Gバイトをキャッシュに使うかを決められるし、音楽/写真/ドキュメント/その他 のそれぞれに対し、常にキャッシュする/全くキャッシュしない/自動 が選択できる。音楽はキャッシュせず常にネットワーク経由でアクセスするけど、ドキュメントはオフラインでも常にアクセスできる――そんな設定が可能だ。さらに、ファイルを右クリックして「Keep local copy」を選べば、強制的にキャッシュに保存してオフラインで利用できるようになる。
またWebインタフェース上で、ダウンロードすることなくファイルの中身を見られるのもZumoDriveならではだ。Dropboxでは画像やテキストなど単純なもの以外はダウンロードして中身を見ることになるが、ZumoDriveではScribdの「iPaper」というFlashプレーヤー機能を使い、オンライン上で閲覧できる(Scribdへのアップロードもできる)。Office 2007の“pptx”ファイルもWeb上で開くことができた。
ZumoDriveとDropboxの概念上の違いは、フォルダを割り当てるのではなく、インストールすると仮想のドライブが1つできてその中が対象となることに、はっきりと出ている。「クラウドストレージをPCからローカルファイルのように見えるようにする」のがZumoDrive、「ローカルファイルをクラウドストレージに同期する」のがDropboxというわけだ。
強いてZumoDriveの課題をいえば、ローカルからファイルを置いた場合に、いつアップロードが終わったのか分かりにくい点だ。アップロード中は、タスクトレイのアイコンが同期中のアニメーションに変わるが、各ファイルのアップロード状態は分からない。Dropboxでは、各ファイルごとに同期中なのか、同期が完了したのかがアイコンで分かるようになっている。
まだ安定性や、速度、そして1つの特徴である「ネットワーク上にiTunesライブラリを置いて使う」については試せていない。それでもこれは魅力的なサービスだ。しっかりビジネスモデルを確立して、一般公開されるのを楽しみにしたい。
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