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» 2010年07月02日 10時46分 UPDATE

結果を出して定時に帰る時短仕事術:思考の「型」を身につける (1/3)

業務の生産性が経験年数とともに自然と高まるのは、過去の経験則から「これはあのパターンと同じだな」と「型」にはめていけるから。そんな「型」をたくさん用意できれば、効率よく、的確にタスクを処理できるはずです。

[永田豊志,Business Media 誠]

 業務の生産性が経験年数とともに自然と高まるのは、新しい問題にぶつかっても、過去の経験則から、「これはあの時のパターンと同じだな」というように型にはめていけるからです。そのため、TPOに合わせて引き出すことのできる型をより多く持っていれば、効率よく、的確にタスクを処理することができます。

思考、作業、アウトプットの型を整備

 「型を決める」行為は、3つのカテゴリに分けられます。「思考に必要な型」「作業に必要な型」「アウトプットに必要な型」です。

st_jitan01.jpg 経験値によって生産性が高くなるのは、思考や作業の型を決めることができるためです。もっともパフォーマンスの上がる型を何度も使いまわし、さらにカイゼンすることによって生産性は大きく高まります。型には、「思考の型」「作業の型」「アウトプットの型」の3種類があります

思考に必要な型 物事を分析する場合や戦略を決めたりする際に使えるビジネスフレームワークを身につけることです。例えば、自分の強みと弱みを踏まえた上で、とるべき戦略を決めようという場合に、その目的にもっとも適したフレームワーク「SWOT分析」を使えば、短時間で内容の濃い戦略アイデアを策定できるでしょう。

作業に必要な型 ヌケやモレを防止するためのチェックリストや業務を標準化するためのマニュアルなどが、これにあたります。タスクを処理する際に、チェックリストを使って、点検項目を1つ1つチェックすることで、うっかりミスなどを未然に防ぐことができます。

アウトプットに必要な型 文書のテンプレートです。報告書や提案書、稟議書、申請書など業務にはさまざまなタイプの文書がありますが、目的に応じたテンプレートを整備しておくことで、チェックリスト同様に、ヌケやモレがない文書をスピーディに作ることができます。

 型を決めて、それを使いこなすためには、事前の準備に時間がかかります。忙しい時には、そうした時間をとることがどうしても億劫になりがちですが、長期で見れば、生産性がずいぶんと変わるのです。これらの型を保有するというのは、知的生産性を高めるための大変強力な資産を持っているのと同じことです。

あえてテンプレートを作る理由は?

 1度ならず、2度、3度……。ビジネス文書は、何度も同じようなものを作成することが多いものです。報告書、稟議書、提案書、会議アジェンダ、あいさつ状など、ひんぱんに使うものはテンプレートを整備して、必要に応じてカスタマイズする習慣を身につけたいものです。

 こうしたテンプレートを使わずに、過去に作成したものの中から似たような文書を見つけ出し、それを修正するという方法もありますが、見つけ出す時間がかかる点と、前回の情報が残ったまま作成してしまうミスが生じる点に注意しなければなりません。理想的なテンプレートは、入力すべき部分を【 】でくくる、色を変えるなど、どの部分に手を入れるべきかが、一目瞭然になった状態です。これをしっかり整備しておくと、会社などチームで動く場合は、全体の生産性が非常に高まります。

st_jitan02.jpg テンプレートを充実させるということは、ベストプラクティスを作るということです。定型フォーマット化すると聞くと、何やら手を抜くことをイメージしがちですが、それを行うためにもっとも効率のよい方法を誰でも使えるようにしたものが、テンプレートなのです

 このようにテンプレートを目的に応じて整備しておくというのは、ヌケ、モレ防止に効果的です。せっかく文書を作成しても、大事な項目が抜け落ちていたりすると、やり直し。稟議や会議アジェンダなど、「他人を巻き込む」目的の文書であれば、なおさら無駄な時間コストがかかってしまいます。

 テンプレートを使うことで、自然とロジカルシンキングや「MECE(モレなく、ダブりなく)」で物事を分析するクセがつき、文書の作成者も、それを受け取る者も、大きな時間の短縮につながります。

 「テンプレートを使うと思考が停止する、自分で考えるべき」と揶揄(やゆ)する人もいますが、テンプレートで始まり、テンプレートで終わるのでは、確かに能力アップにならないでしょう。テンプレートは一度作って、完成ではありません。事あるごとにブラッシュアップして、さらに効率的で正確なものに改善していきましょう。

st_jitan03.jpg テンプレートをうまく運用するためには、どの部分がテンプレートで、どの部分がカスタマイズすべきものかを明示しておくのがポイント。間違って、テンプレートのサンプルのまま提出したりしないようにしましょう
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