連載
» 2011年08月10日 12時38分 UPDATE

ソーシャルブランディングの時代:ネットでの振る舞い方を定める (1/3)

ソーシャルメディアでは、あなたの日々の行動の蓄積によって「評判を管理」することが重要。今回は、ソーシャルメディア上での振る舞いとコミュニケーションを実践する上での方針を決定しましょう。

[大元隆志,Business Media 誠]

 前回説明したプロフィールができ上がれば、ソーシャルメディア上の名刺は完成です。名刺ももちろん重要ですが、それよりも、あなたの日々の行動の蓄積によって「評判を管理」することが、ソーシャルメディアではさらに重要になります。そこで今回は、ソーシャルメディア上でのあなたの振る舞いと、ソーシャルコミュニケーションを実践する上での方針を決定しましょう。

ソーシャルコミュニケーションで好印象を与えるには

 どういったコミュニケーションを図れば、ソーシャルメディアで好まれるかを考えてみることにしましょう。ソーシャルメディアでは、尊敬されることと、人望を集めることが大切だと説明しました。尊敬され人望を集めるためには、大きく言って以下の2つが大切だと私は考えています。

  1. 受信者が尊敬できる情報源であること=信頼に足る正確な情報の発信者であること
  2. 受信者から人望を集めること=自分の意見を一方的に押し付けることなく、相手の意見に耳を貸す良き理解者であること

 それでは、この2つを実現するための考え方を説明します。

信頼できる情報を発信するために

st_sj01.jpg

 ソーシャルメディアで何かを発言することは、好むと好まざるとにかかわらず、自分自身が「情報メディア」の性質を帯びることを意味します。この自覚が大切です。したがって、極力自分が「これは信用できる」と判断した情報、少なくとも「自分にとっては正確」と言える情報の発信に努めることが、好まれるための条件となります。

 右図は、情報内容の信頼性や有効性を評価するためのマトリクスです。何か情報を発信する前に、その情報内容がこの図の4つの分類のどこに該当するか確かめましょう。そうすれば、その情報を発信すべきか、しない方がよいのかを客観的に判断することができます。

 図中Aグループの情報内容は、当事者から直接聞いた事柄であり、事実に基づいています。ここに該当する情報は信頼でき、価値も高いので「最も有用な情報」と考えられます。そうした情報を継続して発信することで、あなたに対する信頼感は増すでしょう。

 Bグループの情報内容は、当事者から直接聞いた事柄ですが、推測に基づいています。そうした情報は、Aグループに比べて信頼性が劣りますが、参考情報として有効です。「推測ですが」と断りを入れた上で発信すれば、あなたが信頼を失うことはないでしょう。

 Cグループは人から間接的に聞いた事柄ではありますが、事実に基づいています。俗に言う「また聞き」の伝聞情報であり、発信するときには注意を要します。情報を仲介した人物が信頼できるか、または、複数の情報ソースから同1の内容を入手できた場合には、有用な情報になりえます。そうした確認ができない場合、その情報発信にはあなたの評判を落とすリスクが伴います。

 Dグループの情報内容は、人から間接的に聞いた事柄であり、かつ推測です。事実確認が困難なうえ「また聞き」なので、発信するのは極力控えた方がよいと言えます。

 どのグループの情報を発信するにしても、情報源の信憑性を確かめ、本人に確認し、複数の情報ソースに当たるなどして裏を取れば、情報内容の信頼性は高まります。速報性ではニュース媒体にかないませんので、個人が情報を発信するときは、信頼性や品質を向上させる手法を工夫しましょう。

 また、情報を発信するとき、話の内容を要約した短いリード文や、寸評などを軽く添えると、情報発信者としてのあなたの価値が向上します。しかし、そこに推測を加えるのは要注意です。Aグループの情報に対して、自分の知見に基づく意見や推測を述べる場合は有用です。しかし、その他のグループの情報に推測を加えることは、伝聞や推測にさらに推測を重ねることになります。結果的にデマを拡散する行為となってしまう可能性があるので、慎重にならなければなりません。

人望を集めるコミュニケーションスタイル

st_sj02.jpg

 こちらの図は、人と人のコミュニケーションの在り方を分類したマトリクスです。一般にコミュニケーション行動は、この図にある4種のスタイル(行動様式)に分けることができ、それぞれに異なる留意点や望ましい態度というものがあります。何らかのコミュニケーション行動をとる前には、その行動が4種のどれに該当するのかを確かめましょう。そうすれば、どのようなことを心掛けて相手と接するべきかが事前に分かります。

 Aグループの「ソーシャルコミュニケーション」を行うときは、相手の主張に耳を傾け、自分の主張も伝えることが肝要です。それがソーシャルメディア上で最も好ましいコミュニケーションスタイルだと言えます。一方的な情報発信に偏らず、そこで得た意見や批判等にも耳を傾け、相手の意見も尊重します。そうした「対話」を重視し継続すれば、人望を得ることができます。そのような好循環の成り立つ対話姿勢が、まさに「ソーシャルコミュニケーション」と呼べるものだと私は考えています。

 Bグループの「受容的コミュニケーション」では、自分自身はインフルエンサーにならず、インフルエンサーの話にじっと耳を傾けている状態が該当します。そうした受身中心のスタイルは、インフルエンサーと親交を深めるときに有効です。日本人の場合、自ら情報発信をすることに抵抗がある人が多く、大半の人がこの状態にあると思われます。

 Cグループは「一方向コミュニケーション」です。自分の主張だけを伝え、相手の意見に耳を傾けないという姿勢です。ソーシャルメディア上の芸能人に多く見られるパターンです。このタイプのコミュニケーションでは、発信する情報の質が高ければインフルエンサーになれますが、そうでない場合には、あなたが他人の意見に耳を傾けないように、周囲の人もあなたの意見に耳を傾けなくなるでしょう。

 Dグループの「無視」は、一般に「コミュニケーションを拒絶する」という態度ですが、それ自体がコミュニケーションの1つの在り方であるとも言えます。自分の意志を伝えず、相手の意見にも耳を貸しません。それでも、相手との間にわだかまりがなく、ただ単に交流が途絶えているだけならば、特に問題はありません。しかし、もし相手との間で何らかの関係修復が必要なときは、寛容な態度であなたの方から話しかけましょう。そうすればわだかまりも消え、相手が信頼を寄せてくれるでしょう。

 ソーシャルメディアを使っている日本人の大半は「情報収集の手段として利用している」というデータもあり、ほとんどの人がBの受容的コミュニケーションの状態にあると言われています。これはチャンスであるとも考えられます。「情報が欲しい」という需要に対して「情報を提供する」供給側がとても少ないことを意味しているからです。信頼できる質の高い情報を発信するよう心掛け、寄せられた意見に耳を傾ける姿勢を継続すれば、きっとあなたの元に尊敬と人望が集まってくるでしょう。

 ソーシャルメディアで発信する情報とコミュニケーションの在り方について、好ましい方向性を説明しました。次は、もう少し細分化した個々の能力について、行動規則を考えていきましょう。

       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -