アルミ箔とプチプチは有効? 1000円でできる放熱対策を検証してみた冬の節電DIY(1/4 ページ)

エアコンとセラミックファンヒーターの消費電力比較に続き、今回は部屋熱の放電対策に有効とするアルミ箔と気泡緩衝材(通称=プチプチ)が本当に効果があるのか、実際に試してみた。

» 2012年02月14日 10時00分 公開
[奥川浩彦Business Media 誠]

 冬の節電のポイントは、効率よく部屋を暖めることと、暖めた部屋の熱を逃がさないことだ。室内からの放熱は天井、壁、床などもあるが、最も熱が逃げるのは窓だ。各資料で48%、58%など数値にバラつきはあるが、室内の熱の約半分が窓から逃げていると考えていいだろう。今回は放熱について実験を行ってみた。

 筆者は震災以降、「節電」で検索して出てくる番組を全て見てきた。役に立つ番組もあれば、そうでない番組、間違っている番組もあった。気になったのは、多くの番組が「○○をすれば△△%の効果があります」と紹介だけして検証はしていないこと。要するにうわさ話を伝えるだけで終わる番組が多い。その中で冬の節電として役に立ちそうに思えたのが、ある番組で紹介していたアルミ箔と気泡緩衝材(通称=プチプチ)を使った方法だ。どちらも低コストで入手できるので、節電効果があれば高いコストパフォーマンスが期待できる。

気泡緩衝材

アルミ箔の効果を検証

 まずはアルミ箔。アルミ箔は熱を反射するので外からの冷気を遮断し、室内の熱を閉じ込める効果がある。番組では、床面と壁をアルミ箔で覆うと効果があると結論付けていた。しかし実際に一般の家庭で部屋の半分以上をアルミ箔で覆うことが可能だろうか。6畳間に10センチ四方のアルミ箔を1枚貼って暖かくなるとは誰も思わない。どれくらいの面積にアルミ箔を貼れば効果が実感できるのかがポイントだろう。

 筆者の構想はフローリングの廊下にアルミ箔を敷き詰め、その上に切り売りのロールカーペットを重ねて敷き詰めることだった。アルミ箔は安いがカーペットは数千円の投資、何より作業する時間はかなり掛かるので、実践投入する前に簡単な検証をしてみた。

 具体的には、同じ種類の段ボール箱を2つ用意し、1つの箱の側面にアルミ箔を貼り、何もしない箱と温度変化を比較してみた。まずは箱の中心に温度計のセンサーを設置して箱を閉じ、屋外に設置して温度の下がり方を記録した。このとき室温は20度、外気温は11度。

同じ段ボール箱の片方にアルミ箔を貼って実験した
片方の段ボール箱にアルミ箔を貼り、屋外に設置し温度変化を記録

 グラフの通り、アルミ箔の効果はなく同じように温度は下がった。考えてみればアルミ箔1枚で断熱できれば住宅の断熱材は不要ということになる。全く効果がないとはいえないが、残念ながらアルミ箔が外の冷気を遮断するというのは怪しい感じだ。

 もう1つ検証を行った。同じガラスコップを2つ用意し計量カップで200ccのお湯を注ぎ、そのコップを先ほどの2つの段ボール箱に入れてみた。要するに同じ熱を箱の中に投入し、放熱の差を比較する検証だ。

同じ量のお湯を段ボール箱に入れ、温度変化を記録

 今度はハッキリ差が出た。アルミ箔が熱を反射するため箱内の温度は約1度の差が開き、ある程度差をキープしながら温度は下がっていった。熱源があればアルミ箔の効果はありそうだ。

 筆者が予定していたフローリングの廊下は、たまに人が歩く程度でほぼ熱源がない。苦労してアルミ箔を貼っても効果は期待できないと考えた。一番効果がありそうなのはこたつだろう。床面に設置するアルミシートは数百円で販売されている。ホームセンターでは上側(天板との間)に被せるアルミシートも見かけた。こたつなら熱源があるので、放熱が少なくなり節電効果が期待できそうだ。ただ、筆者はこたつを使用しないのでアルミ箔の導入は見送ることにした。

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