インタビュー
» 2013年02月12日 12時45分 UPDATE

個人サイト管理人の「目」:“まとめサイト”のうのみは危険! 分かりやすさの裏に潜む影 (1/3)

最近若者を中心に人気の“まとめサイト”。情報がよくまとまっていて分かりやすいのがその魅力だが、情報源としては不十分という懸念もある。まとめサイトの情報との付き合い方から、爆発的に人気を集める理由までを、「虚構新聞」など個人サイト運営者とともに探る。

[村上万純,Business Media 誠]

 このごろ「NAVERまとめ」やいわゆる「2chまとめサイト」といった“まとめサイト”が、新たな情報源として定着しつつある。

画像 まとめサイトを利用する理由は、10〜20代は「暇つぶし」、50〜60代以上では「情報がまとまっていて見やすいから」が1位

 分かりやすくて見やすいのがその魅力だが、情報を一部に切り取り、大げさに脚色した内容の記事も多い。そのため、まとめサイトの情報をうのみにすると、事実を見誤りやすいのだ。魅力の裏には、そんな危険が潜んでいる。

 情報量が激増し、SNSでは炎上が相次ぐなど、昨今のインターネットはますます難しさを増している。そんなネットとの付き合い方を、ネット黎明期から約10年以上個人サイトを運営する“ネットのベテラン”の知見に学ぶ本連載。最終回となる今回は総括として、ネットの歴史を振り返りながら、トレンドの“まとめサイト”をめぐるユーザーリテラシーについて考える。

 引き続き“ネットのベテラン”こと、「虚構新聞」(2004年〜)のUK氏、「絵文録ことのは」(2003年〜)の松永英明氏、「まなめはうす」(1996年〜)のまなめ氏、「ー`)<淡々と更新し続けるぞ雑記。ωもみゅもみゅ」(2000年〜)のさらしる氏に意見を聞いた。

盛り上がりの一方で、ひどい情報も増えてきた

 ネットユーザーの情報源というと、ネット黎明期の2000年ごろは個人ニュースサイトが主力だった。だが今やその役割は、“まとめサイト”やネットの話題を取り上げる“ネットメディア”などに取って代わられた。長年個人サイトを運営してきた“ネットのベテラン”たちは、この変化をどう感じているのか。

まなめ ユーザーの増加は、この15年を通して本当に実感していますが、個人ニュースサイトの読者層自体はあまり変わっていないですね。ただ、ユーザーが情報収集する場所は大きく変化しました。今ではTwitterやソーシャルブックマークを使えば誰でも情報を発信できますし、共有するのも簡単ですよね。加えて、まとめサイトも影響力を持つようになりました。かつては個人ニュースサイトが求められていた時代があったんですが、その時とは状況が異なります。

 私が今からサイトを立ち上げるとしたら、たぶん個人ニュースサイトは作りません。もう時代の流れとして、個人ニュースサイトは必要なジャンルではないのでしょう。たとえSNSを駆使したとしても、人気サイトになるのは難しいと思います。

画像 「虚構新聞」でも、韓国ネタはアクセスが普段より多いという

UK 2000年ごろは、新聞社のサイトや個人ニュースサイトがネットユーザーの情報源になっていましたが、最近ではまとめサイトがそれに代わっています。そういう情報もとの変化は感じていますね。なので、「今ネットで何が話題か」を把握するために、私自身も2ちゃんねるのまとめサイトなどを閲覧するようになりました。

 一部のまとめサイトはアフィリエイト広告で稼いでいることもあり、アクセス増加を狙って、センセーショナルな見出しの記事が多いですよね。例えば、韓国の大統領がちょっと不満を漏らすような発言をしただけで、「○○大統領、大激怒」なんて大げさな脚色を付けたタイトルにしたり、といった具合に。しかも読み手をより刺激するために、わざと差別的な表現を使ってみたりと、たちの悪いものも増えている。果たしてそういう記事を情報源とみなしていいのだろうか、と懸念しています。その辺り、昔ながらの個人ニュースサイトは良識を持っていますよね。品がよかったと思うんです。

 もっと言うと、今のまとめサイトはサイトの両端にずらっとアフィリエイト広告を貼ってますよね。しかも、例えばゲーム関連のまとめサイトなんかでは、ある特定のゲームをけなす内容の記事の最後に、そのゲームのアフィリエイト広告を載せていたりする。決してお金儲けを否定するわけじゃないのですが、少し驚いてしまいますね。

松永 2ちゃんねるのまとめサイトが成り立ち、それがネットユーザーの注目を集めるようになったのは、ここ5、6年のことで、実は結構新しいんです。今のまとめサイトは、ネットで話題のネタをどんどん提供し、ユーザーを煽るような内容に見立てて、注目を集めようとしているものばかり。同様の手段を用いてニュースを提供するネットメディアもありますが、サイトによっては質がひどいです。例えば特定のネタに対する「ネットの声」として、「すごい!」や「いいね!」など、とても安易なユーザーのコメントをピックアップしていたり。もう少し選ぶ余地がなかったのかと(笑)。

画像 さらしる氏「個人ニュースサイトの運営者はみんな怖がりなんで、煽るような言葉使いや表現を使ったりはしないです(笑)」

さらしる 2ちゃんねるのまとめサイトは、5年くらい前から影響力が出てきました。まとめサイトの影響で、2ちゃんねる自体を知らなかったり、見たことがなくても、まとめサイトはよく閲覧しているという人、最近多いのではないでしょうか。

 ところで、「○○がネットで話題に!」というタイトルのニュースを、一部のネットメディアで見かけませんか? あれって実は、記事の書き手がそのネタを話題にしたいだけで、実際はそれほど話題になっていないものばかりなんです。一部で盛り上がっているユーザーのコメントをまとめて紹介して、いかにもみんなが話題にしているように見せかけている。しかも、自分たちできちんと調べた情報を提供しているのではなく、単にネットで”又聞き”した内容を記事にしているだけなんです。そういうネットメディアは、まとめサイトと同じくらいの位置付けだと私は思っているので、一次情報として見なさないことにしています。


 まとめサイトが頭角を現したのは5年ほど前と、ついこのごろのこと。今では、主な情報源として求められるまでになった。だが、その盛り上がりの一方で、もとの情報を大げさに脚色したり、“又聞き”した内容を調べずにそのままニュースとして伝えてしまうような、劣化したまとめサイトやネットメディアも出現しつつあるのだ。

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