外出先に気軽に持ち歩ける機動力の高さで人気の小型モバイルスキャナー。今回はスキャンの設定にまつわる各社製品の特徴を紹介する。
無線LAN対応かつバッテリー駆動が可能な製品が増え、ホットなジャンルであるモバイルスキャナー4製品を比較する短期連載。3回目は、スキャンの設定にまつわる各社製品の特徴を見ていこう。なお、どの製品も特定条件下では設定できる内容に制限のある場合があるので注意してほしい。
まずは各製品が対応する用紙のサイズおよび厚みについて見ていこう。一般論として、用紙サイズは大きいものから小さいものまでなるべく広い範囲をカバーできたほうがよいし、厚みについても薄紙から厚手の紙まで広い範囲をカバーできたほうが、それだけさまざまな書類をスキャンできることになる。
「ScanSnap iX100」(PFU)は、最小サイズが25.4×25.4ミリ、最大サイズが
216×360ミリで、863ミリまでの長尺モードにも対応。厚みは52〜209グラム毎平方メートルまで対応。他の製品に比べると、かなり小さな原稿までスキャンできる。
またキャリアシートを利用し、半折によるA3原稿のスキャンも可能だ。エンボス加工が施されたプラスチックカード(厚み1.24ミリ以下)の読み取りにも対応する。
「DS-40」(エプソン)は、最小サイズが52×73.7ミリ(縦方向)、最大サイズが216×356ミリで、914ミリまでの長尺モードにも対応。厚みは35〜270グラム毎平方メートルまで対応と、他の製品に比べて厚みのある原稿のスキャンに強い。
エンボス加工が施されたプラスチックカード(厚み1.24ミリ以下)の読み取りにも対応する。なお長尺モードでは解像度が300dpiまでに制限されるほか、プラスチックカードは横方向での読み込みに限定されるなど、いくつかの制約がある。
「MDS-820W」(ブラザー)は、最小サイズが55×90ミリ(幅×長さ)、最大サイズが215.9×355.6ミリで、812.8ミリまでの長尺モードにも対応。厚みは60〜105グラム毎平方メートルまで対応で、薄い原稿のスキャンにはキャリアシートを用いる。
厚みが最大でも105グラム毎平方メートルということで、他の製品に比べると厚みのある原稿に弱いことになる。試した限りでは他の製品に比べてそれほど差はない印象を受けたが、厚みのある原稿をスキャンする機会が多い人は注意したほうがいいかもしれない。またエンボス加工が施されたプラスチックカードにも対応しないとされている。
「DR-P208II」(キヤノン)は用紙の種類ごとに対応サイズが異なっており、普通紙は幅が50.8〜216ミリ、長さが70〜356ミリ、厚みは52〜209グラム毎平方メートルまで対応と標準的。名刺は幅49〜55ミリ、長さ85〜91ミリ、厚みは128〜380グラム毎平方メートルまで対応と、厚みにはかなりの余裕がある。
このほかエンボス加工が施されたプラスチックカード(厚み1.4ミリ以下)の読み取りにも対応するが、一方でPC/スマホを問わず長尺モードには対応しないなど、他の製品とはやや違った傾向が見られる。
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