コンビニがめでたく“結婚”するには? 2つの高い壁ご一緒に“おでん”いかがですか 2(2/5 ページ)

» 2015年09月10日 08時00分 公開
[川乃もりやITmedia]

 2つ目は販売網の拡大だ。

 販売網の大きさで言うと、セブンプレミアムがダントツだ。コンビニの“王者”セブン‐イレブンを筆頭に、スーパーはイトーヨーカ堂、デパートはそごう、西武など販売店が網羅されている。

 セブンプレミアムの最大のライバルはイオンの「トップバリュ(TOPVALU)」。コンビニでの取り扱いは、店舗数が少ないミニストップのみとなっている。

 ここでコンビニの国内店舗数を比較してみよう。セブン‐イレブンは1万8092店(2015年8月31日現在)、次いでローソンが1万2276店(2015年2月末現在)、2010年にam/pmと合併したファミリーマートが1万1444店と続く(2015年7月31日現在)。ミニストップは2172店(2015年7月31日現在)にとどまっている。

 PBの販売店舗数が多ければ、出荷数の増加につながる。当然、利益率も上がり商品開発の原資にもなる。1万店体制が主流のコンビニ業界の中で、トップバリュは残念ながらまだ存在感は薄いと言える。イオンとしては、セブンプレミアムと同様、コンビニでの取り扱いの拡大を狙っていることだろう。

 対照的に、ローソンが展開する「ローソンセレクト」は、現状コンビニのみでの取り扱いとなる。ローソンも、PB商品の販売拠点の拡大をしたいところだろう。もちろんそれはファミリーマートにも当てはまる。「ファミマコレクション」と銘打ったPBだが、こちらの販売網もさほど大きくない。PB展開の出遅れ感があるローソンとファミリーマートが、トップバリュの獲得を目指して、ミニストップとの提携をもくろむことは想像に難くないところだ。

 コンビニ関係者の間では、「他社との提携に消極的なセブンを除いて、大手コンビニは中堅・中小のコンビニを狙っている」という、うわさが絶えない。最後の金脈を掘り当てるのはどこか!? ローソンかファミマか、はたまた別のコンビニか。ここ数年、この話題で持ち切りである。

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