コンビニ本部で社員をして10年余り、いわゆるスーパーバイザーなるものを経験し、何を思ったか、独立オーナーに転身した。自分の仕事についての足跡を残すため、仕事の合間にオルタナティブ・ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」を執筆中。
現在はオーナーを辞め、コンビニライター&アドバイザーをやっている。
多くの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。決して大きなスペースではないが、そこで何が起きているのだろうか。陳列台にはたくさんの商品が並んでいるが、何が売れているのか、またなぜ売れているのか。コンビニの現在と過去を紐解きながら、ちょっとした“謎”に迫っていく。
筆者は大手コンビニの本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
ファミリーマートとサークルKサンクスの合併で、コンビニの勢力図が塗り替えられることになりそうだ。
合併話がうまくまとまれば、ファミリーマートの店舗数は業界2位となる。また中部地方を中心に展開しているココストアとの合併が完了すれば、店舗数で日本一となるわけだが、“王者”セブン-イレブン(以下、セブン)もただ指をくわえて見ているわけではないだろう。
セブンの国内店舗数推移をみると、ここ2〜3年は年間約1000店ペースで増やしている。それに対し、ファミリーマートは2014年の純増数が781店。合併しても“三日天下”で終わりそうだが、現在2位のローソンを抜くことは確実。ローソン側は戦々恐々としているのではないだろうか。
先日の記事「コンビニが増え続けなければならない本当の理由」で、筆者は店舗数が増えることでのドミナント効果とリスク軽減について紹介した。今回は、コンビニチェーンの店舗数順位の重要性について掘り下げてみたい。
加盟店が増えれば、本部の利益が伸びる。では、オーナーは何を基準に加盟本部を選ぶのだろうか。取引先や関係者など、筆者があちこちで聞いた話を紹介しよう。
1つめは「好きかどうか」というもの。特に明確な理由はないものの、単にそのチェーンの雰囲気が好きだということで加盟する人もいれば、逆に嫌いなチェーンを排除したという例もあった。
一番多かった理由は「チェーンの将来性に期待して」というもの。1位のチェーンには安定を、2〜3位のチェーンには今後の成長性を求めるといった具合だ。
面白いもので、コンビニ経営を始めた人の多くが安定を求めている。筆者も、その気持ちはよく分かる。そうなると必然的に1位のチェーンが優位となる。
“寄らば大樹の陰”というように、セブンの出店数は他を圧倒している。今回の合併話にも、セブン側は「われ関せず」といった構えだ。なぜなら、1位のチェーンは、店舗を建てられる物件さえあれば、「オレもオレも」「私も私も」といった感じでオーナー候補が群がってくるからだ。
当然、それに比例し利益が増えるという仕組み。これが、チェーンとして優位に立つ理由の1つだ。
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