コンビニ本部で社員をして10年余り、いわゆるスーパーバイザーなるものを経験し、何を思ったか、独立オーナーに転身した。自分の仕事についての足跡を残すため、仕事の合間にオルタナティブ・ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」を執筆中。Webサイト「コンビニ手稿」。
現在はオーナーを辞め、コンビニライター&アドバイザーをやっている。
多くの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。決して大きなスペースではないが、そこで何が起きているのだろうか。陳列台にはたくさんの商品が並んでいるが、何が売れているのか、またなぜ売れているのか。コンビニの現在と過去を紐解きながら、ちょっとした“謎”に迫っていく。
筆者は大手コンビニの本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
コンビニのドーナツが浸透してきたようだ。ベーカリーのコーナーやカウンターでファストフーズのように売っているモノなど、形態はさまざまである。こうした動向を受け、ドーナツ専門のチェーン店も戦々恐々としているのではないだろうか。
これまでにも、コンビニはフライドチキンで専門店に切込みをかけてきた。今後のドーナツの将来を占うためにも、コンビニのフライドチキンの販売が専門店にどのような影響を与えたのか確認しておこう。
2006年10月、ファミリーマートが本格的フライドチキンの“ファミチキ”を発売。CMにアイドルの松浦亜弥さんを投入し、大々的に宣伝を始めたのが2008年12月。2009年3月には、ローソンが“Lチキ”を発売した。
王者セブン-イレブンは、フライドチキンこそ大々的なPRをしなかったが、2007年から、カウンターでのファストフーズ展開を進めていった。つまり、2008年前後からコンビニのファストフーズは、大きな転換期を迎えたと言ってもいいだろう。
大手コンビニによる“チキン押し”が始まったわけだが、鶏の王者・ケンタッキーフライドチキンの売り上げにどのような影響が出たのだろうか。そこで、同社の売上前年比を見てみよう。
コンビニの“チキン押し”が原因かどうかは分からないが、2009年以降、売上前年比が少しずつ低下したものの、2014年からは回復傾向にある。このことからドーナツの場合も、専門店に影響があったとしても一時的なものになるかもしれない。
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