多くの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。決して大きなスペースではないが、そこで何が起きているのだろうか。陳列台にはたくさんの商品が並んでいるが、何が売れているのか、またなぜ売れているのか。コンビニの現在と過去を紐解きながら、ちょっとした“謎”に迫っていく。
筆者は大手コンビニの本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
「アルバイトが集まらない」――そんな話を聞くようになって数年、最近は輪をかけて状況が厳しくなってきているようだ。今回は、コンビニにおけるアルバイトの人材不足の現状について書く。
筆者が考えるに、アルバイトの人材不足に陥る原因はいくつかのパターンがある。
アルバイトをする人は、限られた時間の中で最大限の収入を得たい。だから、バイト先を決めるにあたり、時給が高いというのは最も重要である。
もちろん、時給が高いだけでは決定打にならない。その職種が自分のやりたいことかどうかもポイントの1つだ。例えば、接客が嫌いなのに接客業を選ぶ人はまずいないだろう。
また、勤務先は近いほうがいい。バイトのために、わざわざ電車やバスを乗り継いで通勤に2時間もかける人はほとんどいないはず。通勤時間を考えるならば、よほど高い時給でなければ割が合わないことになる。
このようにアルバイト先を選ぶ基準としては、通いやすいところで、自分に合った職種で、なおかつ時給が一番高いところ――ということになる。
職場の環境も選択要素の1つだ。週2日のつもりで働き始めたのに人手不足のツケが回ってきて、気が付いたら毎日のようにシフトを入れられ、稼いだお金すら使うヒマがない――。少し前、某大手牛丼チェーン店でのワンオペが問題になったが、ブラックな情報が多い職種は避けられる要因となる。コンビニでよくあるのは、同級生からの評判だ。
「あのコンビニは、働いていて楽しい」
「あそこは、オーナーが嫌みばかり言ってきてチョームカつく」
「やることがいっぱいありすぎてヘトヘト。時給アップでないとやってられない」
コンビニはそれぞれのオーナーの資質で大きく労働環境が変わる。ネットやスマホが一般的になった今では、一度でも悪い印象が付こうものなら、あっという間にアルバイト経験者から情報が拡散してしまう。
職種におけるブラックな環境よりも、職場における人間関係についての問題のほうがアルバイト募集には影響が大きい。オーナーは特に用心したいところだ。
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