コンビニ本部で社員をして10年余り、いわゆるスーパーバイザーなるものを経験し、何を思ったか、独立オーナーに転身した。自分の仕事についての足跡を残すため、仕事の合間にオルタナティブ・ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」を執筆中。
現在はオーナーを辞め、コンビニライター&アドバイザーをやっている。
多くの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。決して大きなスペースではないが、そこで何が起きているのだろうか。陳列台にはたくさんの商品が並んでいるが、何が売れているのか、またなぜ売れているのか。コンビニの現在と過去を紐解きながら、ちょっとした“謎”に迫っていく。
筆者は大手コンビニの本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
ファミリーマートはサークルKサンクスとの経営統合を発表したり、東海地方に地盤を持つココストアを買収したり、最近は鼻息が荒い。ローソンも負けじと、中国地方を中心に展開するポプラに出資したり、神奈川県に地盤を持つスリーエフと資本業務提携の交渉を始めたり、血の気が多い。
コンビニ再編の動きが活発化しているが、よく考えると、コンビニ再編のカンフル剤にも足かせにもなることがある。それは、各社が展開するプライベートブランド(以下、PB)と、提携しているポイントカードだ。
本稿では、再編に大きな影響を与えるであろう、この2つのポイントについて書いていく。
現在、各社からさまざまなPBが展開されている。セブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」を筆頭に、コンビニ独自の、もしくは親会社の展開するPB商品を抱えている。店舗でのPB商品設置スペースも広がりつつあるので、知らないという人はいないだろう。
過去には「安かろう悪かろう」と言われたPBだったが、最近では品質を改善し顧客の満足度を上げるなど、その印象は変わりつつある。
各社が展開するPBには、2つの重要なポイントがある。
1つは利益率向上だ。ご存じのとおり、PB商品はナショナルブランド(以下、NB)のようにパッケージデザインにコストをかけずに独自に制作する。NB以上の利益率でなければ展開する意味がないからだ。
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