ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
本連載では、私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」をひも解いていきたい。
「飲食業界が逆風の中でも勝ち組」「コロナ禍の優等生」ともてはやされていた「焼肉店」が、ここにきて窮地に立たされている。
東京商工リサーチによれば、倒産件数は2024年、2025年と2年連続で過去最多を更新。2026年1〜6月も26件となり、2009年の統計開始以降、上半期として最多となった。
なぜ、ここにきて「淘汰(とうた)」が始まってしまったのか。よく言われるのは、輸入肉の価格高騰に加えて、人手不足や物価高によって個人経営の焼肉店が営業継続を断念するケースが増えていることだ。
加えて、焼肉チェーンのフランチャイジーの場合、「食べ放題」競争の激化を指摘する声もある。肉をはじめとする食材の仕入れ価格が高騰する中で「食べ放題」という薄利多売モデルで収益を確保するには、これまで以上に多くの客を集める必要がある。
しかし、今や多くの焼肉チェーンが「食べ放題」を打ち出し、サービスの差別化が難しくなっているので、肉の種類で個性を出したり、魅力的なキャンペーンなどで集客しなくてはいけない。多くの客を受け入れられる店舗の広さも必要だ。そういう投資ができない焼肉チェーンは、客足も伸びないので食べ放題を続ければ続けるほど、採算が悪化するという悪循環に陥る。
ロードサイド型の大型店舗を展開し、トミカのプレゼントやハワイフェアなど、客を飽きさせない仕掛けを打ち出す「焼肉きんぐ」が、大手チェーンの中で「ひとり勝ち」となっている理由の一つだ。
ただ、個人的には「焼肉店の淘汰」を引き起こした大きな理由がもう一つあると思っている。それは「焼肉店キラー」ともいえるプレーヤーの急成長だ。
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