ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
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2026年6月末、Xで、ある個人アカウントの育休に関するポストが“炎上”する事態となった。
内容は、約3年8カ月に及ぶ休業期間中に3人の子どもを出産し、いずれも保育園などに預けず自宅保育を継続しながら、その傍らで、FP1級など複数の資格を取得したり、音楽コンサートを楽しんだりなど、充実した休暇を過ごしたという内容だった(記事執筆時点、投稿は非公開となっている)。
このポストに対し、投稿者のバイタリティーを絶賛する声が多く上がった一方、主に以下の批判が猛烈に巻き起こった。
不在中の同僚や職場の負担を無視した「自慢」に対する不快感、3年以上休んでも復帰できるという制度そのものへの批判、「そういうことは黙ってやれ(わざわざポストするな)」といった声まで――。
この投稿の内容は個別の家庭事情の話であり、そもそも真偽さえ分からない。それでもなぜ、このポストが一部ユーザーの逆鱗に触れて大炎上したのか。その要因の一つに、現代の労働環境が抱える根深い不満と構造的なひずみが潜んでいる。
批判の背景のひとつには、育休社員を抱える職場の深刻な疲弊がある。
厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査」(事業所調査)によれば、育児休業取得者がいた事業所での対応(複数回答)は「代替要員の補充を行わず、同じ部門の他の社員で対応した」が79.9%と約8割を占め、人員の異動(14.6%)や派遣・アルバイトなどの代替要員の雇用(15.0%)は2割に満たない。つまり大多数の職場では、欠員分を残された同僚がそのまま吸収していることになる。
さらに、現在多くの企業は残業規制を厳格化している。過労死リスクや労働基準法違反を回避するため、残業を定められた時間内におさめるのは正しい判断だろう。しかし、育休の代替要員が補充されないまま人員だけが減った現場でこれを強行すると、残された社員は、制限された労働時間内でより多くの業務をこなさなければならなくなる。
こうした過密労働やプレッシャーは数字上には表れず、その実態が見えにくい。しかしその過酷さにより育休現場の社員は肉体的・精神的に徐々に追い詰められていく。
仮に代替要員を入れたとしても、代替要員を配置しても、その育成コストを企業側が十分に考慮しなければ、負荷がかかるのは現場の社員や直属の管理職だ。この見えない疲弊と不満の蓄積は軽視できない。
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