焼肉店はなぜ急に苦しくなった? ロピアの急成長で見えてきた「新たな競合」スピン経済の歩き方(3/6 ページ)

» 2026年07月08日 06時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

グループ会社で焼肉店も運営

 「でもしょせんはスーパーの肉じゃん、お店の焼肉と比べたら食えたもんじゃないよ」と感じる人も多いかもしれない。しかし、それはロピアを見誤っている。

 ロピアは1971年、神奈川県藤沢市で創業した精肉店「肉の宝屋」がルーツで、牛を一頭丸ごと仕入れる「一頭買い」や、自社加工を強みに現在の成長を遂げてきた。精肉は祖業であり、その品質やコストパフォーマンスは他の激安スーパーと一線を画しているのだ。実際、ロピアを運営するOICグループは肉の仕入れや加工のノウハウを生かし、焼肉店など肉料理を提供する店舗も複数展開している。福岡県ではヨドバシカメラの屋上に都市型バーベキュー「グリルピア ヨドバシ博多」を運営、グループ会社のeatopiaホールディングスは「焼肉ギュウトピア」「肉匠みちば」などを展開している。

「焼肉ギュウトピア」(出典:eatopiaホールディングスのプレスリリース、以下同)
A5ランクの和牛などを提供

 そんな「肉のコングロマリット」ともいえるロピアが今、全国で次々と店舗を増やしている。

 もともとは関東の1都3県で40店舗ほどで展開していたが、2020年ごろから全国に進出。2024年以降は、閉店したイトーヨーカドーの跡地などへの出店を足掛かりに、北海道、東北、関西、九州など幅広い地域に積極的に出店するようになった。店舗数は約90店舗に拡大した。

 そう聞くと、ピンときた人もいるだろう。そう、ロピアの出店攻勢が加速した2年前は、冒頭で触れた「焼肉店淘汰」が深刻になったタイミングと見事に重なるのだ。

 実際、ロピアの出店が地域の競争環境に影響を与えた可能性を感じさせる事例もある。例えば、ロピアは2025年5月23日に北陸初進出となる「ロピア ムサシ新潟店」をオープンした。地元スーパーと業務提携し、新潟市中央区に出店。オープン時には最大1800人が行列をつくった。

 その約8カ月後の2026年1月24日、「ロピア ムサシ新潟店」から車で約20分の場所にある「焼肉や善山」という焼肉店が閉店した。運営会社の企画二十一は6月5日に新潟地裁から破産開始決定を受けた。

 また、「ロピア ムサシ新潟店」から車で10分ほどのところにある「焼肉ロッヂ 東新潟店」も2026年5月9日に閉店した。「焼肉1時間30分食べ放題」を看板メニューとしていた焼肉店だった。

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