「忍者」を観光資源に 伊賀と甲賀も協力、ゆかりの自治体ら「日本忍者協議会」発足

» 2015年10月09日 17時48分 公開
[ITmedia]

 「忍者」を国内外の観光客誘致や「クール・ジャパン」の情報発信に活用しようと「日本忍者協議会」がこのほど発足した。忍者の里として知られてきた三重県伊賀市や滋賀県甲賀市などゆかりの自治体らが参加し、全国的なネットワークを構築。2月22日を「忍者の日」として定めるなど、「忍者ブランド」の確立やイベント、情報発信を通じて地域経済の活性化に役立てる。

 9日に都内で開かれた発表会には各自治体のトップが忍者に扮して出席。「私たちが忍者ブームを起こしていく」などと意気込んだ。

photo 忍者に扮した「日本忍者協議会」発起人の自治体トップら

 伊賀市、甲賀市のほか、真田忍群と真田氏の里として知られる長野県上田市、後北条氏を支えた「風魔」の神奈川県小田原市などが参加。会長には三重県の鈴木英敬知事が就き、副会長は神奈川県の黒岩祐治知事、滋賀県の三日月大造知事、佐賀県の山口祥義知事らが務める。

 戦国時代に活躍したとされる忍者は、海外でも「NINJA」として広く知られる存在だ。忍者ゆかりの地域では関連イベントなどが盛んに開催されているが、「忍者の情報を国内外に発信するプラットフォームがなく、世界の方々から忍者の歴史について聞かれても答えられないという状況」(副会長の溝畑宏・元観光庁長官)だったという。

 協議会は、忍者ゆかりの自治体や企業などが協力して情報発信や忍者のブランド化に取り組み、忍者の観光資源化などに役立てるのが狙いだ。今年度は忍者ゆかりの地や周遊コースを英語などで紹介するWebサイトや忍者をPRするテレビ番組の制作、PRイベントの開催などを予定。来年度にはジャパンエキスポ(フランス・パリ)への出展なども計画している。

 会長の鈴木 三重県知事は「オールジャパンで忍者を発信する体制を整えたい」と話した。

 発表会には協議会の「応援団」として歌舞伎俳優の十一代目市川海老蔵さんも参加。「日本の伝統文化に携わる者として、応援していきたいです。本日は、このコスプレパーティに呼んで頂き、大変うれしいです」と話した。

photo 設立の経緯を語る溝畑氏

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