コンビニの年賀状印刷は、あの手この手の作戦新連載・コンビニ探偵! 調査報告書(1/4 ページ)

» 2015年10月22日 08時00分 公開
[川乃もりやITmedia]

新連載・コンビニ探偵! 調査報告書

 「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」……だけど、タフであり続けることも、優しくあり続けることも、簡単ではない。

 ほとんどの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。ニュースやデータからコンビニで何が起きているのかを、推理して、調査して報告します。筆者は大手コンビニの元本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?


 そろそろ年賀状について考える時期だ。出すか出さないか、手書きか印刷か――みなさんは毎年どうしているだろうか。10月29日にお年玉付き官製年賀はがきが発売される予定だが、既にコンビニ各社は年賀状印刷の受付を開始している。

 今回は、コンビニの年賀状印刷の現状を調査し、報告する。

縮小する年賀状市場

 まずは、以下のグラフを見てほしい。平成に入ってからの年賀状発行枚数である。

(旧日本郵政公社 統計データ「平成18年度データ 年賀葉書」をもとに筆者作成)
※年表記は発売時の年(例:2014年は2015年配達)

 ご存じのとおり、年賀状市場は年々縮小傾向である。2003年をピークに多少の起伏はあるものの、その後は減少の一途をたどっている。時代背景として、PCやプリンタが一般家庭に普及し、オリジナルの年賀状が簡単に作成できるようになったというのがある。筆者のコンビニでも専用ソフトを取り扱っていたが、普及し始めたころはすごく売れたという記憶がある。

 これで、年賀状市場はいったんは盛り返したかのように見えた。しかし、新年のあいさつは、より便利で手軽なメールに取って代わった。最近では、FacebookやTwitterなどのSNSを使ってあいさつをする人も少なくない。

 メールやSNSを利用する人が増加する一方で、年賀状は縮小してしまった。一部の人が好んで(中には仕方なく)使うコンテンツへと姿を変えたのである。

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