本部と店舗のせめぎあいは目を見張るものがある。ボジョレーのシーズンが近づくとキャッチコピーであおってくる発注促進くらいだが、本部の計画と店舗の予約状況が大きくかけ離れると、本部は豹変する。
本部内ではスーパーバイザーへの進捗(しんちょく)確認が連日行われるようになる。スーパーバイザーもサラリーマン。営業成績を達成するためにあの手・この手を使うことは珍しくないが、おにぎりを10個多く発注させるのとは勝手が違う。
一方、店舗としても単価の高いボジョレーをほいそれと発注するわけにはいかない。売れる見込みがないからだ。そうした事情はスーパーバイザーも分かってはいるものの、本部のプレッシャーに屈して、店舗に強引な方法で攻めてくるのだ。例えば、とある店舗の売り上げがものすごく伸びている、という感じで。
「〇〇店では△△本売れているんですけど……」「売れる商品を売ってください、とお願いしているだけなんですよ。何も、売れない商品を売ってくれ、と言っているわけじゃないですよ」などと、売り上げが低い店のオーナーに切り出す。こちらの弱みを狙って、しかも、ネチネチと。しかし、こんなのはまだ序の口だ。
「本部が売りたいと言っている商品を売らないということは、経営方針が違うという認識で合っていますか?」「そろそろ契約更新について話し合いをする必要があるようですね」などと言ってくるのだ。
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