2015年秋に開催されたラグビーW杯イングランド大会で、日本代表チームが南アフリカに劇的な勝利を収めた。世界ランキング13位の日本に対して、南アフリカは3位。格上の優勝候補相手にもかかわらず、同点を狙わず、あくまで勝ちにこだわった日本代表の姿に胸を熱くした人も多いだろう。
逆転勝利したことで、現地メディアは「史上最大の番狂わせ」と報じた。が、しかしである。日本代表チームを「気象」という側面で支援していた会社があったことは、あまり知られていない。気象予報会社のウェザーニューズである。
社名を聞いて「天気予報の番組で見たことがあるなあ」という人もいるだろうが、ウェザーニューズは代表チームに対してどのような支援をしていたのだろうか。イングランド大会前に、日本代表は宮崎県などで合宿を行っていた。練習中の段階から試合当日までチームに天候や風向きなどの予報を提供。そのデータを基に、チームは練習メニューを作っていたのだ。
例えば、試合当日の天気は「雨」と予報した場合、選手はスタッド(びょう)の長いスパイクを着用したり、ボールを石けん水で濡らし滑りやすい状況をつくったり、事前にさまざまな準備をしなければいけない。また、開催地の気候が日本と違う場合、その環境に慣れるトレーニングが求められる。このように、選手のパフォーマンスを最大限引き出すために、ウェザーニューズはさまざまな気象情報を提供していたのだ。
9月19日(現地時間)、イングランド南部のブライトンで日本代表は南アフリカと戦った。試合前に、ウェザーニューズはどのような情報を提供していたのだろうか。同社・スポーツ気象チームの浅田佳津雄さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
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