新ビジネスの“成功確率”は? 「スポーツ+天気」がやって来そう水曜インタビュー劇場(天候編)(6/6 ページ)

» 2016年01月13日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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「リスクを減らす」「勝利」を支援

浅田: 「天気予報が当たった、外れた」といったことも大切なのですが、チームや選手が「気象情報」をきちんと扱えるようになってほしいんですよね。なぜそう思うかというと、気象リスクがあるから。

土肥: 先ほどお話された熱中症、ゲリラ豪雨、雷などですよね。

浅田: 気象リスクを防ぐためには、気象のことを勉強しなければいけません。ただ、こちらがリスクの話ばかり言っても、聞いている人たちは面白くありません。

土肥: 「分かりました、分かりました、気をつければいいんでしょ」と思われてしまう。

浅田: “気象と選手のパフォーマンスに関係がある”ことが分かればどうでしょう? 気象=ネガティブではなく、ポジティブに受け止めていただけるのではないでしょうか。そうすると、気象のことにもっと関心を寄せてくれるかなあと。

土肥: なるほど。その昔、スポーツの現場で「うさぎ跳び」が当たり前のように行われていました。でも、医学的に「うさぎ跳びはケガをしやすい」ことが明らかになったので、いまでは行われていません。また、運動中に「水を飲んではいけない」と言われてきました。でも、飲まなければ脱水症状になる危険性が高くなるので、いまでは「水分補給をしなければいけない」になりました。

 「うさぎ跳びをしろ」「水を飲むな」といった“根性論”はどんどんなくなって、スポーツの世界に科学がどんどん導入されていった。浅田さんの話を聞いていると、近い将来スポーツの世界に「気象」が入ってくるかもしれない。

浅田: スポーツをやっていると「ケガ」はどうしても避けられません。でも、気象を知ることで「リスクを減らす」ことはできるんですよね。またリスクを減らすだけでなく、気象をうまく使うことで「勝利」に結びつけることができるかもしれません。この2つを支援できればうれしいですね。

(終わり)

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