元ジュディマリのTAKUYAが目指す「アジアの音楽ハブ構想」アジアの玄関口・福岡のキーパーソン(3/3 ページ)

» 2016年01月19日 07時30分 公開
[小松里紗ITmedia]
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コスモポリタンになろう

――スタジオができることで、福岡にはどのような影響が生まれるでしょうか。

TAKUYA: 福岡がアジアの玄関口になれば、九州全土を経済発展させることにもつながるはずです。例えば、福岡にメインのレコーディングスタジオができた場合、撮影場所やリハーサルスタジオを九州で選ぶ可能性もあります。福岡を拠点として、九州全土で分業ができるようになるかもしれません。

 スタジオを作るとともに人材を教育するという場も立ち上げようと思っています。日本を含めたアジアのエンジニア志望者たちが福岡に来て、スタジオで学ぶ。輩出する場所というより、若い人たちが集まる場所にしたいのです。

 今回のハブ構想は、福岡から人材を輩出するのではなく、例えば、既に知名度の高い海外のアーティストが福岡のスタジオを利用したり、音楽を制作することで福岡に人材や外貨が入ってきたりするという考え方です。

――福岡がアジアの音楽のハブになるための課題は?

TAKUYA: 高島宗一郎福岡市長がグローバル創業・雇用創出特区として推進しているビザの規制緩和の動きもそうですが(関連記事)、福岡市をオープン化するということは、「コスモポリタン」になるということです。いろいろな人種が入ってくると文化の違いもあって、今まで培ってきたローカルルールでは受け切れないかもしれない。ただ、不安や恐怖心にとらわれていてはハブにはなれないですし、もっと率先してアジアのコスモポリタンになることを自覚してもいいのではと思います。

 僕の出身は京都ですが、京都には既に移住している海外の方がかなりいるにもかかわらず、依然として京都らしい文化が残っています。そういった例が日本にもあるのだから、それを参考にしていけばいいのではないでしょうか。


 2015年11月に福岡で開催されたテクノロジーとエンターテイメントをテーマにしたイベント「明星和楽」に出演した際に「来年からは福岡に滞在することがもっと増える」と語ったTAKUYAさん。音楽のハブ構想を実現し、福岡をアジア、さらには世界のアーティストが集まる聖地にしていく。その挑戦に注目が集まる。

(取材・文:小松里紗、構成:市來孝人)

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