進むクラウド化、デジタル化―最新会計ソフト活用で業務効率アップ

確定申告をなるべく手軽にクリアしよう! 「やよいの青色申告オンライン」編本当に“使える”会計ソフトを探せ(1/3 ページ)

» 2016年01月27日 08時00分 公開
[宮田健ITmedia]

 2016年3月15日(火)。個人事業主や中小企業にとってそれは大きなデッドライン。多くの個人事業主は、年明けとともに「確定申告」が頭にちらつきます。目の前にあるレシート、領収書の山。届き始める支払調書と保険の支払履歴……。いやおうにも機運が盛り上がる(盛り下がる?)時期です。

 とはいえ、確定申告までの作業は「慣れ」の作業でもあります。一度作業が身につけば、意外と楽になるのです。今年もいくつかの会計ソフトを使ってみて、2015年度の確定申告に大きな変化がないかをチェックしてみましょう。

まずは「やよいの青色申告オンライン」を使ってみる

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 今回はクラウド会計ソフトの1つ、やよいの青色申告オンラインを利用してみます。2014年に満を持して登場した老舗のクラウドソフトは機能も充実し、外部サービスとの連携も「YAYOI SMART CONNECT」が使えるようになりました。これで、銀行、クレジットカード、ポイントカードなどの履歴を取り込むことができ、多くの作業が自動化できるようになりました。これを弥生は「会計業務3.0」と表現しています。

photo 弥生の考える「会計業務3.0」

 特にクラウド会計ソフトとしてリリースされた「やよいの青色申告オンライン」は、仕訳や勘定科目をあまり意識させないユーザーインタフェースを採用しており、もしこれから起業するという方や、個人事業主としてスタートするという方にはこのクラウド版がお勧めできます。

 では、事業主として「最低限」の取引を登録し、その簡単さを確認してみます。

確定申告をクリアすべく「最低限の取引」を入力してみる

 まず簡易も簡易に取引を考えてみます。売上はアイティメディアからの原稿料、年間合計「30万円」を、年始に届く支払調書から1つの仕訳を登録します。さらに、かかった経費は全部まとめて毎月1本の仕訳に集約するという内容です。一応、10万円以上のものを年に1つ買ってみるというのも入れておきましょう。(なお、この考え方は、日本デジタルライターズ協会が主催した「フリーランスライターのための確定申告勉強会」で講演された、税理士の杉山靖彦先生のお話を参考にさせていただきました)

 上記に沿った形で、以下の取引を入れることにします。

  • 12月31日、アイティメディアからの売上30万円を計上
  • 1月31日、1月分の経費として、水道光熱費1万2000円、スマホ利用料1万円、交通費1万円、備品購入1万円を計上(2〜12月分は省略)
  • 9月25日、話題のiPhone新製品を一括で購入(10万円以上のため“固定資産扱い”)

 では、入力してみましょう。まずは売上から。売上は毎年届く支払調書を元に、まとめて入力してしまいます(もちろん、本来は月ごとに売上を入力するのが正しいのですが、毎月の売上情報は手元にあるということが前提です)。

 これは、やよいの青色申告オンラインの「かんたん取引入力」から行うことにします。30万円の売上で、源泉徴収額は自動計算されるものが支払調書と一致しているかを確認しておきましょう。

photo 売上は支払調書を元に、1年分まとめて入力しています。もし税務署からの指摘があったときのために、内訳は別途メモなどを残しておきましょう
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