いよいよ確定申告シーズンが到来しました。準備万端な人もいれば、これから本格的に作業をする人もいるでしょう。私もそろそろ手をつけなければと思っていますが、今年は絶対にしてはいけない失敗があります。それは「提出期限を破らない」ということ。
もっとも私の場合は、ダラダラして遅れたわけではなく、ばっちり準備していたにもかかわらず、提出するのを忘れていたのです。それが前回の確定申告での失敗なのですが、みなさんが私と同じ轍を踏まないように、提出期限を過ぎたらどんなことが起きるのかを紹介したいと思います。
あれは忘れもしない2014年の6月、梅雨らしく雨の降る日曜日の夜のことでした。私が部屋を整理していると、書類が一束どさりと出てきました。
「ああ、確定申告の資料か。今年も間に合ってよかったなあ。還付金が楽しみだ」
そんなのんきなことを考えていると、レシートだけではなく、税理士さんの判子が押された確定申告書まで出てきました。
「ちょ、ちょっとまて! これ郵送しなきゃいけなかったんじゃないの!? ま、まさか! 出してなかったのか!」
青色申告の期限は3月17日(編集部注:2014年3月15日は土曜のため、3月17日の月曜が期限でした)。実に3カ月も過ぎています。
「延滞税がかかってしまうじゃないか! 一体どれくらい......?」
穏やかな1日が一転して波乱に満ちてきたのでした。
私は青色申告を行っています。最初の数年は確定申告ソフトの「やよいの青色申告」を活用して自分で作成して、近所にある青色申告会に何度も相談しながら、作り上げていましたが、一昨年から税理士に依頼することにしました。
しかし、いつでもまた自分でできるように、データは「やよいの青色申告」のものを税理士さんに更新してもらっています。
自らデータを作って青色申告会と2人3脚で申告していたときは、最終的には青色申告会で判子をもらって、そのまま代理で提出されるという流れでした。しかし、税理士さんに作ってもらった場合は、判子が押されて返送されてきたその確定申告書を、私が郵送で送らなければならなかったのです。
昨年はきちんとそうしたのに、税理士さんに頼んで2年目ということで気の緩みもあったのでしょう。私は急いで税理士さんにメールしました。
「すみません、大変なことに気づいたのですが、確定申告書を税務署に郵送したつもりで、送れていませんでした……。このまま投函してもよいものなのでしょうか? 本当に申し訳ございません」
もう夜も遅かったのでとりあえず翌日の返信を待とうとしましたが、あまりのことに夜もよく眠れず、朝はやたらと早く目が覚めました。当然、税理士さんからの返信はまだなかったのですが、一刻も早く税務署に行ったほうがよいと決断しました。
8時30分に税務署が開くと同時に、私は窓口に駆け込みました。
「すみません! 確定申告の書類を出し忘れていまして……」
すると、窓口の若い男性は中をささっと確認すると、にっこり笑って「わかりました。これで受理しますね」と言うではありませんか。
私が拍子抜けして「いや、あの延滞税とか……」と言うと、「いえ、柳原さんは還付なので、延滞税はかかりません。これで結構ですよ」とのこと。
調べてみると、延滞税とは、(1)申告などで確定した税額を法定納期限までに完納しない時、(2) 期限後申告書又は修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない税額がある時、(3)更正又は決定の処分を受けた場合で、納付しなければならない税額がある時――の3つで、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じた延滞税を納付する必要があります。
私の場合は(2)にあたるわけですが、払い過ぎている税金を還付してもらう立場であり、納付しなければならない税額がありません。よって延滞税も発生しないのです。
よ、よかった……。こんなに慌てて来る必要はなかったのか。私がほっとして帰路に着いたことは言うまでもありません。
しかし、そんなとき、税理士さんから電話がかかってきたのです。
「メール読みました。まだ出してないですよね?」
「いえ、今、もう直接出向いて出してきました! 還付だから延滞税もなくて安心しましたよー。すみません、お騒がせして……」
というと、電話口の向こうから思わぬ声が帰ってきました。
「そうですか……。いや、あのままではダメなんです。修正して、出し直さなければなりません」
税務署の人が「大丈夫」と言っているのに一体、何を言っているのだろう。このときの私は、まだ事の重大さを何一つ分かっていなかったのでした。
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