生産中止! 大苦戦していたブラックサンダーが、なぜ“売れ続けて”いるのか水曜インタビュー劇場(駄菓子公演)(1/7 ページ)

» 2016年05月25日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 「駄菓子」と聞いてどんな商品を想像しますか? このように聞かれて、40〜50代の多くは「チロルチョコ」「うまい棒」などと答えるのでは。それもそのはず。チロルチョコは1962年に発売されて、今年で54歳。うまい棒は1979年に発売されて、今年で37歳。当時の子どもたちに愛されたこの商品は、いまの40〜50代にとって“懐かしいモノ”なのである。

 では「ブラックサンダー」はどうか。40〜50代の多くは「うーん、食べたことはあるけれど、小さいころに食べた記憶はないな」と答えるのでは。当然である。ブラックサンダーは1994年に発売されて、今年で22歳。40〜50代が初めてブラックサンダーを口にしたのは大人になってからで、子どものころに食べた世代はいまの10〜20代である。

 駄菓子市場の中で“若手”とも言えるブラックサンダーを製造・販売するのは、東京の小平市に本社を置く有楽製菓。同社は1955年に創業し、ウェハースの製造からスタートした。その後、愛知県の豊橋市、北海道の札幌市に工場を設立し、チョコレートも扱うようになった。

 「ほほー、工場をぽこぽこ造って、チョコレートがじゃんじゃん売れるにようになったのね」と思われたかもしれないが、実は違う。ブラックサンダーは1994年に発売されたものの、当時は全く売れず、すぐに発売中止に追い込まれたのだ。

 発売即終了を経験した商品が、なぜいまコンビニやスーパーの棚に並んでいるのか。売上個数を見ると、2003年ごろから右肩上がりに伸びていて、2009年に大台の年間1億個を突破。その後はジグザグしながらも、1億個をキープしていて、定番商品の仲間入りをしているのだ。

 「駄菓子市場でヒット商品はなかなかな生まれない」(大手コンビニ)と言われている中で、なぜブラックサンダーは成功したのか。有楽製菓・マーケティング部の伊藤大介さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

おいしさイナズマ級!……のブラックサンダーが売れている
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