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» 2016年09月15日 06時00分 UPDATE

世界を読み解くニュース・サロン:遠いアフリカで、中国が日本にイラついている理由 (1/4)

アフリカをめぐって、中国が日本の言動にイライラしている。経済協力の側面でみると、中国は日本を圧倒しているのに、なぜ日本を目の敵にしているのだろうか。なぜなら……。

[山田敏弘,ITmedia]

世界を読み解くニュース・サロン:

 今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。

 欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。


アフリカをめぐって中国が日本にいら立っている(写真はイメージです)

 いま、アフリカをめぐって中国は日本にイラついている。

 2016年8月末、第6回アフリカ開発会議(TICAD6)が、ケニアの首都ナイロビで開催された。安倍晋三首相は、アフリカへ今後3年間で300億ドルの投資を約束した。今回のTICADは1993年に始まってから初めてアフリカ大陸で開催されたこともあって、日本の意気込みが感じられた。

 その少し前の2015年12月、中国もアフリカとの開発会議を行っている。2000年から始まった中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)を南アフリカのヨハネスブルクで開催。こちらも6回目にして初のアフリカ開催となり、習近平国家主席はアフリカ支援として600億ドルの資金を拠出すると表明している。日本の倍額であり、近年アフリカに多額の投資を行っている中国の経済力を見せつけた形だ。

 アフリカとの経済協力に乗り出しているのは何も日本や中国だけではない。インドも、インド・アフリカ・経済フォーラム(IBF)を2010年に立ち上げている。米国は2014年に米・アフリカ首脳会議を初めて開催し、2015年にはEU(欧州連合)もEU・アフリカ主張会議を行っている。とにかく、アフリカ経済に対する注目度は世界的に高いのである。

 だがその中でも日中のせめぎ合いがメディアで話題になっている。TICADやFOCACでも分かる通り、日本はアフリカで中国に押され気味なのだが、とにかく中国が日本を目の敵にしており、日本の動きに敏感に反応し、いら立ちを見せている。

 そもそも、日本と中国はアフリカにどれほど投資をしているのか。日本は2013年に行われた前回の第5回TICADで、5年間で320億ドルの投資を約束している。そして今回の開催までに、そのうちの67%がすでにさまざまなプロジェクトに投入されている。その上で、さらに今後3年間で官民合わせて300億ドルの投資を約束しており、それ自体はかなりの規模ではあるが、前述した通り、中国は2015年末にFOCACで600億ドルの投資を発表している。

 また日本からの外国直接投資は、2000〜2014年の累積で105億ドルだったのに対して、中国は累積で300億ドルを超える。英ロイター通信によれば、2014年の日本からアフリカへの直接外国投資は12億4000万ドルだったが、中国からの直接投資は、例えば天然資源の豊富な赤道ギニアに、2015年4月の1カ月だけで20億ドルも投資している。

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