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» 2016年10月31日 06時30分 UPDATE

池田直渡「週刊モータージャーナル」:ついに見えてきたトヨタとダイハツの未来形 (1/4)

年初に発表されたトヨタ自動車のダイハツ完全子会社化。そこから順調にスケジュールは進み、新体制での役割分担が明確になった。一体何かどう変わったのか検証したい。

[池田直渡,ITmedia]

 今年1月29日の緊急記者会見で、ダイハツの完全子会社化を突如発表したトヨタだったが、その後のスケジュールは順調に消化してきた。

 会見当日には両社の取締役会で株式交換契約が決議され、同日に締結された。以降、6月下旬のダイハツの定時株主総会で株式交換が決議され、7月26日に取引所での株式売買を終了。翌27日にダイハツ株は上場廃止となった。109年続いたダイハツ工業という会社の株式は、8月1日に1株あたりトヨタ株0.26株と交換され、以後ダイハツの議決権は100%トヨタが保持することになった。

2016年1月29日の記者会見でトヨタがダイハツの完全子会社化を発表。手を組む豊田章男社長(左)と三井正則社長 2016年1月29日の記者会見でトヨタがダイハツの完全子会社化を発表。手を組む豊田章男社長(左)と三井正則社長

 これまでダイハツ株を所有していた株主は自動的に交換比率に応じたトヨタの株主となり、法人としてのダイハツ工業は以後、非上場のトヨタ100%子会社として存続していくことになっている。

 新体制が始まった8月1日から、トヨタとダイハツの役割分担に関する本格的な調整が始まり、その成果が10月4日に発表された。

7カンパニー制はどう変わるか?

 トヨタは2016年4月に、意思決定のスピードアップを目的に7カンパニー制を導入したが、今回新たに「新興国小型車担当カンパニー」の設置を進めている。つまり8カンパニー制になるのだろうと思えば、少し様子が違う。従来の7カンパニーはこれまでの機能軸での分割を止めて製品軸での分割に改めるという改革だった。製品の企画から一貫してコンパクトな組織で行うことによって意思決定の速度を上げ、社会の変化に即応していくための改革だ。その7つのカンパニーは以下の通りである。

  • 先進技術開発カンパニー
  • パワートレーンカンパニー
  • コネクティッドカンパニー
  • Toyota Compact Car Company
  • Mid-size Vehicle Company
  • CV Company
  • Lexus International Co.

 ちなみにそれ以前がどういう組織だったかと言えば、以下の4つに分かれていた。

  • レクサス・インターナショナル
  • 第1トヨタ(北米・欧州・日本担当)
  • 第2トヨタ(中国・豪亜中近東、アフリカ、中南米担当)
  • ユニットセンター(エンジンやドライブトレインなどのユニット事業担当)

 つまり先進国向けと新興国向けの2つのトヨタ、レクサスとユニットという既存のトヨタビジネスの流れを集約する体制だったのである。しかしながら驚くべきはこの体制へと組織変更したのが2013年4月のこと、そこからわずか2年で7カンパニー制へと再編し、さらにダイハツの完全子会社化を踏まえて手直しを行おうと言うのだ。

 この再編の行方はともかく、世界に名だたる巨大企業がこのペースで骨格となる組織を次々に改変していくのは尋常なことではない。

 さらにトヨタのリリースには重要な文言が含まれていた。

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