“ハンカチ王子”に再来年はあるのか赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2016年11月03日 06時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 2016年の日本プロ野球は北海道日本ハムファイターズが日本一の栄冠をつかんだ。日本シリーズでセ・リーグ王者の広島東洋カープを4勝2敗で下し、10年ぶり3回目の頂点に到達。チームの面々は歓喜の胴上げとビールかけを行ったが、その中から“カヤの外”になった所属選手がいる。斎藤佑樹投手だ。

 今年はレギュラーシーズンの大半を二軍で過ごし、一軍はわずか11試合のみの登板で0勝1敗、防御率は4.56。散々の結果に終わった。クライマックス・シリーズ(CS)での登板もなく、この日本シリーズ期間中は途中、10月27日の第5戦(札幌ドーム)からバックアップ要員として招へいされた。ミーティングで首脳陣から斎藤が紹介されると、その場に居合わせた選手たちはパラパラとまばらながらも拍手を送ったという。

 チームメートたちは決して歓迎ムードではなかったようだ。そんな微妙な空気感を当人も悟ったからなのか。29日の第6戦(マツダスタジアム)でチームが日本一を決めた際、グラウンド上での胴上げにも、そして広島市内の宿舎で行われたビールかけにも斎藤の姿は多くのメディアが血眼になって探し回ったものの確認されなかった。

 一軍登録されていなかったのだから、確かに当たり前だ。だが斎藤は9月28日の西武戦(西武ドーム)でチームがリーグ優勝を決めた際の胴上げとビールかけには、一軍登録されていないにも関わらず“ちゃっかり”参加していた。この模様が一部メディアによって報じられ、ネットユーザーたちに嵐のようなバッシングを浴びた苦い経験がある。

 しかも、そのビールかけでは存在感を消しながら泡まみれになっていたが結局、テレビのインタビュアーにつかまってしまった。そしてマイクを向けられると「今年は活躍できなかったんで……」とコメント。この言葉に対してネット民たちから「『今年は』じゃなくて『今年も』だろう」などと怒りを買ってしまったのだ。

 だから斎藤は「2度もターゲットにされたらたまらない」と、日本シリーズにバックアップメンバーとして同行していても日本一が決まってチームメートたちと同じようにハシャギ回ることだけは是が非でも避けようとしたのであろう。

日本一の祝勝会に斎藤投手の姿はなかった
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