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» 2016年12月05日 07時30分 UPDATE

ポテチ老舗の変革:新生湖池屋の“競合を見ない”戦略とは? (1/2)

ポテトチップスの老舗メーカーである湖池屋が、経営体制やCIロゴマークなどを刷新して再スタートを切った。従来とは異なるポジショニングを作っていくというが、一体どういうことだろうか――。

[伏見学,ITmedia]
湖池屋の主力商品である「ポテトチップス のり塩」や「カラムーチョ」 湖池屋の主力商品である「ポテトチップス のり塩」や「カラムーチョ」

 「単なるフレーバー違いの新商品はなるべく作らない。それよりも品質にこだわったプレミアムな商品を開発していく」

 目下、事業改革を進めているスナック菓子メーカー・湖池屋の佐藤章社長は、11月30日に開いた戦略説明会の場でこう力強く語った。

 同社は2016年10月1日、フレンテなど複数あったコーポレートブランドを統合し、“新生湖池屋”として再スタートを切った。それに伴い経営体制を刷新。創業者・小池和夫氏の長男で、長らく社長だった小池孝氏が会長に、今年5月に社外から招き入れた佐藤氏が社長に就任した。佐藤社長はキリンビール出身で、キリンビバレッジでは社長を務めた経験を持つ。「生茶」や「FIRE」などのヒット商品を生み出したマーケティングのプロとしても知られている。

 さらにCI(コーポレート・アイデンティティ)ロゴマークも一新。湖池屋の6つのコアバリューを示す六角形の和風ロゴで企業ブランドの転換を図ろうとしている。そこに込められた意味は創業時への「原点回帰」だ。なぜそうした必要に迫られているのだろうか。

新CIロゴマーク 新CIロゴマーク

スナック市場全体が低迷

 同社は1958年に創業。和夫氏が仕事仲間と行った飲み屋でポテトチップスと出会い、自らも作って売ることを決心。日本中からさまざまなジャガイモの品種を取り寄せ、皮のむき方やスライスの厚さ、揚げる温度などをいろいろと試してみては失敗を重ねた末、ついに生まれたのが、1962年に日本で初めて発売された「ポテトチップス のり塩」である。

 日本で最初にポテトチップス商品の量産化に成功した老舗メーカーとして、長きにわたりこの市場をけん引してきた自負がある。ところが、近年は商品のコモディティ化や低価格化などが進みスナック市場全体が伸び悩んでいるのに加えて、ポテトチップスに関しては市場シェアで7割を超えるカルビーと大きく差をつけられている。カルビーのポテトチップス商品単体の年間売上高は786億2700万円(2016年3月期)、一方の湖池屋は売り上げ全体で324億3000万円(2016年6月期)となっている。

新生湖池屋の2トップ、小池孝会長(右)と佐藤章社長 新生湖池屋の2トップ、小池孝会長(右)と佐藤章社長

 湖池屋ではここ数年、「みかん味」「苺のショートケーキ味」といったユニークなフレーバーのポテトチップスを出すなど、商品そのものでは話題を集めているものの、それが業績の飛躍的な伸びに結び付いているとは言い難い。そうした中で行き着いた考えが、冒頭の佐藤社長の言葉に表れているのではないだろうか。コモディティ商品ではなく、今後は品質を追い求めた創業時に立ち返り、味わいや素材など商品の本質で勝負するという。

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