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» 2016年12月22日 08時00分 UPDATE

世界を読み解くニュース・サロン:「ディスっても大丈夫」法が成立、書くよ! (1/4)

米国で、興味深い法案が成立した。「消費者レビュー公正法」である。あまり聞き慣れない言葉だが、一体どういった法律なのか。

[山田敏弘,ITmedia]

世界を読み解くニュース・サロン:

 今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。

 欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。


 バラク・オバマ米大統領の任期が残り1カ月を切った。

 この時期になると、議会を通過した法案などを成立させるために、オバマは慌ただしく署名を行う。そのような状況の中で、12月14日に興味深い法案に署名をして成立させている。「消費者レビュー公正法」である。

 「消費者レビュー公正法」は米消費者の権利を守る連邦法だ。この法により、米国民は、口コミサイトで酷評する行為が連邦法で守られることになる。要するに、口コミサイトでレストランをディスっても、レストラン側から訴えられるような心配はなくなるのだ。言うなれば、「口コミ保護法」といったところか。

 なぜそんな行為が法律で保証される必要があるのか。ここに至るまでに米国ではいろいろな議論があった。

 この法案は、実は議会でも超党派でスムーズに通過してきた。9月に米下院を通過し、11月には米上院が法案を可決した。そして最近オバマが署名して正式に法制化となったわけだが、この法律は、その名の通り、消費者が公正に商品を評価することに政府としてお墨付きを与えるものだ。

 米国では、日本以上に口コミが浸透している。口コミができる人気サイトのイェルプやトリップ・アドバイザー、アマゾンなどには、レストランからホテル、商品やサービスまで莫大なレビューが掲載されている。星の数とコメントで評価できるイェルプでは、レストランなどに限らず、病院や医師個人に対してまでコメントが飛び交っている。

米国では、日本以上に口コミが浸透。飲食店にも莫大なレビューが掲載されている
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