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» 2017年01月24日 12時05分 UPDATE

赤坂8丁目発 スポーツ246:新横綱は本当に大丈夫なのか 3月の不安 (1/3)

大相撲初場所で初優勝した大関稀勢の里の横綱昇進が決まった。19年ぶりの日本出身横綱が誕生することになるが、この決定に疑問を感じた人も多いのでは。これまでの成績を考えれば「大甘昇進」とも言え……。

[臼北信行,ITmedia]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 大相撲初場所で初優勝した大関稀勢の里の横綱昇進が決まった。日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)が開かれ、出席した8人(3人が都合により欠席)の委員全員が全会一致で横綱に推薦。これで1998年の3代目若乃花以来、実に19年ぶりの日本出身横綱が誕生することになった。

 相撲協会は25日午前に行われる春場所番付編成会議後の臨時理事会で正式に昇進を決定する。その後、同日開催予定の伝達式では相撲協会の使者から稀勢の里が第72代横綱となることを伝えられ、大相撲の力士の格付けにおける最高位に恥じないように相撲道に精進していくという旨の口上を伝えることになる。

 入幕から所要73場所での横綱昇進は昭和以降最も遅い記録だ。だが、2016年は大相撲史上初めて優勝回数ゼロの力士として年間最多勝を獲得するなど、その強さは際立っていた。周囲の横綱昇進への期待値も非常に高かった。

 幕内優勝の次点(いわゆる準V)となった場所も過去12回。これまで再三のチャンスがありながらもことごとく綱獲りに失敗して期待を裏切り続けていたが、2016年11月場所の“準V”に続く今年の初場所でついに賜杯を手にした。

 今場所は千秋楽で横綱白鵬を破るなど14勝1敗の好成績。文句なしの横綱昇進――と言いたいところだが、少しばかり何かスッキリしないのは筆者だけではあるまい。初場所は日馬富士と鶴竜の2横綱に加え、2場所連続で負けている小結栃ノ心も途中休場して対戦がなかった。それでも確かに優勝は優勝。これは文句のつけようがない。

 とはいえ、横審の内規にある「優勝に準ずる成績」とは決定戦に出た場合の優勝と同点か、もしくは優勝力士と1差までというのが角界有識者の間での認識となっていたはずである。昨年の11月場所で優勝した横綱鶴竜と終盤までV争いしたとはいえ結局、稀勢の里は優勝に次ぐ成績だったものの2差。これで“準V”とみなしていいのかという疑問は拭えない。

何かスッキリしない稀勢の里の横綱昇進
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